菅原道真は「和歌の神」でもあった!北野天満宮に奉納の和歌の短冊、宮中行事「古今伝授」にちなむ | ラジトピ ラジオ関西トピックス

菅原道真は「和歌の神」でもあった!北野天満宮に奉納の和歌の短冊、宮中行事「古今伝授」にちなむ

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 全国の天満宮の総本社・北野天満宮(京都市上京区)で、江戸時代に天皇や上皇などから奉納された和歌の短冊630枚が見つかった。

 短冊は、本殿内陣の奥(内々陣)で木箱10箱に収められており、専門家が2021年から調査していた。

北野天満宮で見つかった江戸時代に天皇や上皇から奉納された和歌の短冊 保存状態も良好だった<2023年9月12日 京都市上京区>
短冊は北野天満宮本殿の内々陣に収められていたが、大正末期の宝物殿建造さ時に移された

 調査は京都大学の藤井譲治名誉教授(日本近世史)と、長谷川千尋教授(日本中世文学)によるもの。その結果、短冊は宮中の伝統行事「古今伝授」(現在は途絶えている)後に奉納されたものだったことがわかり、2023年9月に発表した。両者は『北野天満宮 聖廟法楽和歌集』を刊行した。

“聖廟”とは北野天満宮を指し、“法楽”とは天神に詩歌や芸能を奉納することをいう。

北野天満宮・本殿内々陣に保管されていた和歌短冊が、約2年にわたる調査で宮中行事「古今伝授」後に奉納されたことが判明<2023年9月12日 京都市上京区>
『北野天満宮 聖廟法楽和歌集』

「古今伝授」とは、平安時代前期の勅撰和歌集「古今和歌集」の解釈を師匠から弟子へ秘伝として伝承すること。室町時代に始まったとみられる。天皇や上皇が詠んだもので、北野天満宮では“秘事”とされてきた。古典一般の秘伝の伝授を指すこともある。

延享二年聖廟法楽和歌短冊(1745年) 桜町天皇による奉納 すべて直筆 短冊上部に穴を開け、三つ折りにされている
貞享3年(1686年)霊元天皇期の文台と硯

 藤井名誉教授によると、中世以降、宮中では毎月25日(道真の月命日)に歌会をする風習があり、極めて重要視されていたという。

(左から)橘重十九宮司・藤井譲治名誉教授・長谷川千尋教授

 江戸時代、北野天満宮に奉納された和歌の短冊は、古今伝授にちなんだものが7回、ほかに桜町天皇や霊元天皇が奉納したものもあった。いずれ直筆で、当時のまま保管され、保存状態も極めて良好だった。

宝暦十年聖廟法楽和歌短冊(1760年)奉納は桃園天皇 次代・皇室史での最後の女性天皇となる後桜町天皇の表記も
寛文四年聖廟法楽和歌短冊(1664年)後西上皇(後西院天皇との表記)50枚すべて縦に三つ折りの跡がある

【北野天満宮 公式サイト】

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