大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日 184日間)の会場建設費をめぐり、運営主体の日本国際博覧会協会は20日、建設費の精査結果を政府と大阪府・市、経済界にオンライン形式で報告した。建設費は当初の約1.9倍、2350億円となると述べた。増額は2度目となる。
内訳としては、資材価格や人件費の高騰が大きく、527億円増加した(資材価格は443億円、人件費は84億円)。今後、想定を超える物価上昇や自然災害対応など予期できない工事発注を想定した予備費130億円を追加。一方、工事内容の見直しや会場デザインの変更などによって157億円を圧縮(合理化)した分を差し引くと、計500億円の増加となる。
博覧会協会は、建設費の精査について、日本建設業連合会が算出した建築資材と人件費上昇の現状をベースにした。
それによると、
▼建設資材物価指数(東京)での推移が、2021年1月~2023年3月の間に28%上昇
▼公共工事での設計労務価格の引き上げ率が、2021年度~2023年度にかけて約10%上昇 を根拠に挙げた。
会談は20日夕方、オンラインで、西村康稔・経済産業大臣、自見英子(はなこ)・万博担当大臣、吉村洋文・大阪府知事、横山英幸・大阪市長、松本正義・関西経済連合会会長ら8人が参加。石毛博行・日本国際博覧会協会事務総長からの報告を受けた。
建設費については、政府と大阪府市、経済界で3分の1ずつ負担することになっている。
西村大臣は「3分の1ずつ負担の大原則は堅持したい」との意向を示し、自見大臣は「国費を投入する以上は精査が必要」と述べた。
吉村知事は「説明は不十分だ。どういう積算でこの数字になったのか、詳細を確認のうえ協会に改めて質問し、回答を踏まえて判断したい」と課題を突き付けた。
大阪・関西万博の会場建設費をめぐっては、2018年の誘致決定段階では1250億円としていたが、資材費高騰や施設計画の変更などのため、2020年12月に1850億円へ増額した経緯がある。
■3度目の増額を要請することがないよう…