ご飯でも食べようかと、街中をぶらぶら歩いていたある日のこと。店頭のショーケースに飾られる食品サンプルを発見したので、それを見てメニューを決めようと思ったのですが……。
食品サンプルなのに、ラップをかけている!? 一体なんでやろ?
ラップといえば、あまったおかずを冷蔵庫で保存する際に使ったり、レンジで温めるときに使うもんですよね。その目的は、あとあと食べるためだったり、鮮度や香り、風味を逃さないため。
そんなラップが食品サンプルに使われているんです。確かに、リアルな料理に見えるほどの素晴らしさではありますが、あくまでもサンプルですんで本当に食べるわけやないんです。それなのに、一体なぜラップをする必要があるのか?
お店の人に聞いてみたところ、「あとあと食べへんのにラップって、確かに(笑)」と笑いながら説明してくれました。
店員さんいわく、食品サンプルはプラスチック樹脂などでできていてホコリを吸着しやすいのだそう。そのまま放っておくとホコリが溜まってくるそうで、「ホコリのついた料理のサンプルはあかんやろ? だからラップしてるねん」と説明してくれました。
洗えばいいと言えばそうなのですが、洗ったら洗ったで色落ちするわ劣化が早くなるわ……。食品サンプルの寿命は意外にも短く、置く場所にもよりますが1〜2年で色落ちしてくるのだといいます。
「ラップをかけることで、サンプルの鮮度を守ってるって感じかな(笑)」とこぼしつつ、「でな、食品サンプルって結構高いねんで。1杯数百円のラーメンを何杯売らなあかんねん!」と本音もポロリ。
食品サンプルがダメになったときには、一時しのぎで自作することもあるのだとか。とはいえ、プラスチック樹脂を使った本格的なサンプルを作ることは難しいため、丸めた色紙をお皿やグラスに入れるそう。
「手作りの食品サンプルは本物には似ても似つかんもんやけど、しゃあなしやで。それにもラップしてるよ(笑)」と、思わぬ裏話まで飛び出しました。