のどかな晩秋の風景を満喫しながら、列車は1時間38分かけて終点の『津山』に到着。SL全盛期は山陽と山陰を結ぶ主要駅だったこの駅は驚くほど広い構内を持ち、ここで因美線と姫新線は乗り換えとなります。
駅に隣接する「津山まなびの鉄道館」は、京都駅に次ぐ大規模な大型扇形車庫をもち、往年の名車13両が展示されています。また初代藩主・森忠政が13年を費やして造った津山城には22メートルの高さの石垣がそびえています。築城400年で復元された備中櫓からは、中国山地に囲まれた街並みが一望できます。桜の時期は最高ですが、晩秋から初冬にかけての景色も一見の価値ありです。
蛇行する旭川の表情、おだやかな山村風景、歴史を感じるノスタルジックな駅舎、それらを眺めながらいただく地元豪華弁当……と魅力満載の「SAKU美SAKU楽」。ちなみに料金は普通運賃に指定席料を加えて1700円で乗車できます。なお、今年の運行は11月をもって終了し、12月からはしばらくお休み。来春からの運行も楽しみにしたいところです。(羽川英樹)