『アイラップ』って知ってる? 昭和から令和まで ヒット続ける“ポリ袋”の正体とは? | ラジトピ ラジオ関西トピックス

『アイラップ』って知ってる? 昭和から令和まで ヒット続ける“ポリ袋”の正体とは?

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 地域によって呼び方が変わる商品や食べ物。有名なものだと、「今川焼=回転焼き、大判焼、おやき」が挙げられますね。今回は、北陸地方の人々から「アイラップ」と呼ばれる商品について、販売元である岩谷マテリアル株式会社の坂本さんに話を聞きました。

「アイラップ」

――――「アイラップ」はどのような商品?

【坂本さん】 今から47年前の1976年に発売され、当時からほとんど変わらないオレンジ色の三角形の箱が特徴の“マチ付きポリ袋”です。湯せん・電子レンジなどにも活用できる耐熱性があるだけでなく防湿性にも優れているため、食品の鮮度を保つこともできる商品として長年ご利用いただいています。

今では、三角形の箱に入ったさまざまなポリ袋が販売されていますが、実は、三角形の箱をパッケージに使ったポリ袋の走りなんです。

―――発売当初から全国販売を行っている?

【坂本さん】 発売当初から全国のスーパーで販売していました。ただ、発売から10年が経過して権利関係が切れたこと、類似品・競合品が登場したこと、さらには海外品が流入してきたことによる価格競争の影響もあり、全国の売り場からどんどん撤退していきました。その後も全国販売は続けていましたが、都市圏での数は大幅に減少しました。

全国での販売数が減少してからは北陸地方を中心に販売を続けていたこともあり、北陸では「アイラップ」と呼ばれるほどに浸透しました。

初代「アイラップ」

―――なぜ北陸を中心に人気になった?

【坂本さん】 全国販売の数が少なくなってきたころ、山形県の食品スーパーのオーナーさんがアイラップをすごく気に入ってくださったんです。そのおかげで地元のスーパーや問屋さんにも協力していただき、北陸を中心に地道に販売数を増やしていきました。気づけば、山形や新潟をはじめとした北陸地方ではシェアの8割を占めるほど、大きく普及したんです。

北陸では、ご近所さんにご飯をおすそ分けしたり自宅で漬物をつける文化があることも、ポリ袋を重宝してもらえている要因かと思います。

現在も北陸地方では多くの人たちに利用していただいており、一家に一個はアイラップがあるほど。保育園や幼稚園、小学校で配られる持ち物のプリントには、「ポリ袋」ではなく「アイラップ」と書かれているんです。

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