高架を駆けあがって乗降客の多い『上新庄』に停車。ここは単身者にとても人気の高いエリアです。
安威川を渡れば吹田市に入ります。『正雀』(しょうじゃく)は準急は通過する駅ですが、阪急では拠点駅。駅手前には相互乗り入れする大阪メトロ堺筋線の車両基地・東吹田検車場があります。
そして駅に隣接するのが約10万平米という広大な阪急正雀工場と車庫。ここで阪急全線の車両検査や洗車がおこなわれ、毎年春と秋に開催される「阪急レールウェイフェスティバル」には多くの鉄道ファンが訪れます。
次の停車駅は大阪モノレールとも接続する『南茨木』。1970年の大阪万博開幕で誕生した駅で、ここからバスで会場まで運んでいました。今は地元出身のヤノベケンジ氏制作の大きなモニュメント「サン・チャイルド」が出迎えてくれます。
このあと準急は大阪・京都のベッドタウンとして君臨する『茨木市』『高槻市』と停車していきます。京都本線の中間拠点となる『高槻市』で特急と接続し、準急はこのあと『京都河原町』まで各駅停車となります。
さて京都本線の特急といえば、かつては『十三』~『大宮』間をノンストップで疾走していましたが、今や十三・淡路・茨木市・高槻市・長岡天神・桂・烏丸と、こまめに停まるようになりました。時代の変化や沿線住民のニーズによって停車駅もどんどん変わっていったのです。
そしていよいよ2024年夏からは阪急初の「有料座席車両」が登場することになります。「プライベース」と名付けられた車両は中央に扉をもうけ、ゆったりとした座席間隔になっています。当初は既存の9300系の6編成に1両組み込まれますが、新造車となる2300系も順次登場します。運行が始まれば有料座席車両のさきがけとなった京阪のプレミアムカーともぜひ乗り比べてみたいものです。(羽川英樹)