年末年始はクリスマスや正月などイベントが多く、家族や友人と集まってごちそうを食べる機会が増えます。日常的に食べていない食品だと「食べても大丈夫なのか」「傷んでいるのかどうかわからない」などといった、素人では判断しにくいことも発生しがち。そこで、この時期に食べたくなる食品の問い合わせ事例について『コープこうべ商品検査センター』の担当者に聞きました。
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ーー冬のごちそうの代表格といえば牡蠣(カキ)ですが、消費者からの問い合わせはありますか?
【担当者】はい。牡蠣の身に「白いブツブツがある」というお問い合わせをいただきました。
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――確かに身の部分に丸いものがいくつもありますね。外側というよりも中にあって、それが透けて見えているように思いますが……これは何なのでしょうか。
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【担当者】身の中に透けて見えている丸いものは“牡蠣の卵”と考えられます。通常、牡蠣は6月ごろに卵を持ち始め夏ごろに排出、9月までには産卵を終えます。しかしながら、排卵されず身の中に残ってしまう卵がまれにあります。
――なるほど。丸いブツブツの正体が牡蠣自体の卵ということなので、食べても問題ないということでしょうか?
【担当者】その通りです。卵を持った牡蠣を食べても問題はありません。
――クリスマスシーズンならではのごちそう「ローストチキン」についても問い合わせがあったそうですね。
【担当者】「骨の周りの肉が赤い」というお問い合わせをいただきました。十分に加熱されているはず、または加熱したはずのローストチキンの骨の周りの肉が赤くなっているのを見ると「生焼けなのかな……」と不安に感じる方もいらっしゃると思いますが、実は“別の理由”で赤くなるのです。
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ーー生焼けではなく、別の理由があったとは驚きです! 気になりますね。
【担当者】鶏もも肉を加熱すると、骨の表面の穴から骨髄液が染み出して骨の表面に沿って肉の内部に溜まります。骨髄液中の赤い色素は酸素に触れると褐色になりますが、骨の表面に出た骨髄液は肉に覆われていますので酸素にふれません。そのため赤い色素がそのまま残るのです。