年賀状作りに革命 昭和の定番『プリントゴッコ』 累計売上1000万台 爆発的ヒットのワケ | ラジトピ ラジオ関西トピックス

年賀状作りに革命 昭和の定番『プリントゴッコ』 累計売上1000万台 爆発的ヒットのワケ

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 2023年も残すところあとわずか。毎年この時期になると考えないといけないのが、年賀状です。令和となったいまでは、ネット印刷やメッセージアプリでのやりとりなども定番になりつつありますが、昭和の年賀状作りといえば「プリントゴッコ」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?

 パソコンもプリンターもない昭和後期に誕生し、一世を風靡した家庭用印刷機「プリントゴッコ」。えんぴつなどを使って紙に文字や絵を書き、それをマスターと呼ばれる版のもとにランプの熱で写すことで製版。それを使って版画のように何枚も印刷できるという商品です。「プリントゴッコ」の歴史や現在について、理想科学工業株式会社の橋本さんに話を聞きました。

プリントゴッコ
「プリントゴッコ」

―――誕生のきっかけは?

【橋本さん】 当社はもともと、戦後間もない1946年に創業し印刷業を行っておりました。インクや印刷技術の開発をするなかで、印刷をもっと身近な存在にするべく家庭用の小型印刷機を開発。創業者の羽山昇が「親子で“印刷ゴッコ”を楽しんでほしい」との思いから、「プリントゴッコ」と命名したのが始まりです。

「プリントゴッコ」が発売されたのは、1977年。それまでは手書きやイモで作ったハンコなどで年賀状を作っていたため、常識を覆す画期的な商品として発売当初から品切れが続出するほどの爆発的なヒット商品となりました。あまりの売れ行きに生産が間に合わず、「お詫び広告」を出したこともありました。

プリントゴッコ

―――発売当初から年賀状用の商品として販売していたのですか?

【橋本さん】 実は、そういうわけではなかったんです。「プリントゴッコ」を初めてお披露目したのは、1977年5月に行われた企業向けの展示会でした。同商品を使った印刷を実演したところものすごい人だかりができ、「おお〜!」という歓声があがるほどのリアクション。それを受け、「これはすぐに発売せねば!」と準備が進められ、実際に一般向けに発売できたのが9月でした。

発売当初から多数のメディアに取り上げられたり、百貨店などで実演販売を行いながら知名度を拡大するなか、ちょうど年賀状準備の時期と重なったこともあり、多くの人が年賀状作り用に購入してくださいました。以降、「年賀状作り」=「プリントゴッコ」というイメージが定着しました。

プリントゴッコで作った年賀状
「プリントゴッコ」で作った年賀状
「プリントゴッコ」で作った年賀状
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