――お雑煮が、お正月の料理として定着したのですね。徳川家のお雑煮、どんなものか気になります!
【齋藤さん】 徳川時代の将軍が正月に食べていたのは「餅(角餅)、大根、干しアワビ、干しナマコ、ワラビ、焼き豆腐、ゴボウ、里芋、むすび昆布」の具材で、しょうゆ仕立てのすまし汁だったことが記録されています。

――京都発祥のお雑煮が、武家の間で受け継がれ、さらにはそこから全国の一般家庭へと広まっていったのですね。
【齋藤さん】 はい。ただし、お雑煮はひとつの決まった型が広まったのではなく、その土地に本来あった様々な食材や汁文化と結びついて進化しながら広まっていきました。
例えば「出雲雑煮」に使われる十六島(うっぷるい)海苔は、雑煮の記録よりももっと古い歴史(奈良時代)を持っています。
つまり地方のお雑煮には、京都発祥のお雑煮よりも古いDNAを持ったものもあるかもしれません。そこがお雑煮文化のおもしろいところだと思います。

――「お雑煮文化」、想像以上に奥が深そうですね!
【齋藤さん】 そうですね。日本の食文化を後世に伝えていくことを大切な使命だと捉えている弊社としても、日本食の魅力である地域ごとの食文化の多様性が、最もユニークに表れている料理として「お雑煮」に着目しています。
それぞれのご家庭で多種多様に進化を遂げているであろう現代のお雑煮、オリジナル度が高いお雑煮、ずっと受け継がれてきた昔ながらのお雑煮など、各家庭ごとのお雑煮の味をこれからも大切にしていただきたいです。
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いかがでしたか? 室町時代から現代まで500年以上にわたって、地域や家庭ごとに形を変えながら愛されてきた「お雑煮」。あなたのご家庭では、どんな具材や味付けのお雑煮が定番ですか?
※1 出典:『日本料理とは何か 和食文化の源流と展開』 奥村彪生 2016年 農山漁村文化協会
(取材・文=中口のり子)
取材協力:
久原本家 茅乃舎
関連サイト:
「お雑煮という奇跡」※記事中に登場したお雑煮も紹介
投稿企画「教えて!みんなの#令和のお雑煮」



