最大震度7を記録した能登半島地震は8日、発生から1週間が経過した。気象庁によると、8日13時までに能登半島沖や能登地方を震源とする震度1以上を観測した地震が1219回発生した。
■つかめぬ被害の全容
石川県珠洲市の住宅で6日夜、発生から約124時間ぶりに90代の女性が救出された一方、発生から6日目に犠牲者が100人(※)に達した(8日14時現在・石川県内で確認された死者は168人、安否不明者が323人)。
被災地では懸命の捜索・救助活動が続けられている。また、被災地の多くの集落で孤立状態が続き、いまだ被災地全体の状況の全容がつかめない。
能登半島ではさらに、10センチ以上の積雪と厳しい寒さにさらされている。雪の重みで建物が倒壊したり、救助活動や救援物資輸送に支障をきたすことも懸念されている。
日本地震学会会員で「はりま地盤・地震研究会」代表の西影裕一さん(兵庫県姫路市)は、地震発生から4日目、被災地の富山県氷見市に入った。震源に近い石川県への交通手段の確保は困難だったという。氷見市は1日、震度5強を観測した。
2日間の取材・調査を終え、西影さんは「地質条件は異なるが、地震のエネルギー自体は、1995年の阪神・淡路大震災と比べて上回る」と指摘する。
ラジオ関西トピックス「ラジトピ」では、5日に続き西影さんが寄稿した現地ルポの後編を送る。
(※記事中の画像は富山県氷見市内、西影裕一さん提供)
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■液状化現象とその対応
1月5日の記事(前編)で、富山県氷見市では「噴砂(ふんさ)」が至るところで確認されたと報告した。地表近くで地下水を含んだ砂の層が地震で揺さぶられると砂と水が分離し、砂層は液状になる。これを「液状化現象」というが、砂と水が地上に噴出することを「噴砂現象」という。
液状化現象が起きると地盤が傾くため、多くの場合、家は傾きドアや窓が開かないようになり、最悪の場合は家が倒壊する。