農業機械などを扱う産業機械メーカー・ヤンマーの公式キャラクターとして長年愛されてきた「ヤン坊マー坊」。昭和の天気予報といえば、この2人の男の子を連想する方も多いのではないでしょうか? 当時としては異例の“企業の公式キャラ”として誕生し、半世紀以上が経つ現在も多くの人に親しまれています。
そんな昭和生まれの名物キャラクターですが、実は近々リニューアルされるという噂も。ヤン坊マー坊の歴史と現在について、ヤンマーホールディングス株式会社の坂田さんに話を聞きました。
―――そもそもどうして誕生した?
【坂田さん】 1950年当時、“天気”は農業や漁業を営む方にとって非常に重要な情報でした。農業や漁業用の機械を扱う当社のお客さまである農家・漁師の方々に役立つ情報を届けるため、1959年、天気予報の放送を開始しました。そのなかで、企業の堅苦しいイメージを払拭し、一般の方々にもヤンマーに親しみを持ってほしいという思いから生まれたのが「ヤン坊マー坊」でした。
―――当時、企業の公式キャラクターは珍しかった?
【坂田さん】 企業のキャラクター自体がほとんどいなかったうえ、テレビで放送されていたのは「ヤン坊マー坊」だけだったのではないかと思います。あの『鉄腕アトム』が放送されたのが1960年代ですので、それよりも前からお茶の間に登場していたことになります。
―――『ヤン坊マー坊の天気予報』はいつまで放送されていた?
【坂田さん】 1959年6月~2014年3月まで放送されていました。およそ3か月ごとにバージョンが変わっていたのですが、55年の歴史で200作品以上が生まれました。
時世を反映したアニメーションになっているものも多かったようです。たとえば、東京オリンピックが開催された1964年には2人が表彰台に上がっていたり、1995年にはサッカーワールドカップにかけて2人がサッカーをするアニメーションが作られました。