“次世代観光”を照らすカギは地域の生存戦略 「可能性探しが楽しい」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

“次世代観光”を照らすカギは地域の生存戦略 「可能性探しが楽しい」

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 劇作家・演出家 平田オリザさんのラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、株式会社キャッスルホテル専務取締役であり株式会社BBQ&Co.代表取締役の成田收彌(あつや)さんが出演。「観光の未来」について語り合った。

株式会社キャッスルホテル専務取締役、株式会社BBQ&Co.代表取締役の成田收彌さん(写真左)、番組パーソナリティーの平田オリザ(同中央)、田名部真理(同右)

 成田さんは、行政や漁協など地域の面々と連携し、インバウンド向けの旅プラン「橋泊ツアー」を企画。その背景にはこれまでの活動と、観光への思いがあるという。

 今年2月より実施が予定されている、旅プラン「橋泊ツアー」。ライトアップされた明石海峡大橋をバックに、国の登録有形文化財で地産地消のディナーを堪能したあとは、明石海峡大橋のアンカレッジ部分に宿泊。翌日は橋の下を船で航海、魚の棚など明石のまちを回遊することができる。

 成田さんが、家業であるホテル業を継いだのは2008年。「ホテルの館内だけが充実していても、街に泊まる動機がなくては意味がない。ホテルは“まちのおもてなしインフラ”であるべき」と考え、地域と積極的に関わってきた。地域の困りごとに応えていくうちに、2009年、明石市の公共施設であるBBQ場の委託運営を行うことになった。

 施設は、明石海峡大橋の眼前に位置する絶景のロケーションにも関わらず、照明や雨風をしのぐ庇(ひさし)もなく、夜間は懐中電灯を照らしながら肉の焼け具合をみるといった状況だった。

「これは改善の余地がある」と考えた成田さんは、家賃を上乗せして支払う代わりに、単年度の指定管理においてネックとなる照明や屋根の設置といった投資部分を市に提案。BBQ施設を利用者目線で改善し、10年で10倍以上の利用者を記録する人気施設となった。

 BBQ施設の刷新を皮切りに、「ホテルロッジ舞洲」(2014)、「森とリルのBBQフィールド」(2015)、明石公園「TTT」(2017)など、機能していなかった公共施設を次々と再生。そこには必ず、「地域資源」と「にぎわい創出」に導くストーリーを用意したという。

「海外の旅行客に日本滞在の感想を聞いたときに、『観光地は堪能したが、日本人のプライベートを垣間見る機会がなかった』と言われた。そこで考えたのが、BBQを“コミュニケーションツール”として活用することです。BBQは、パブリックスペースにプライベートを持ち込む行為。細切れの肉ではなくかたまり肉を焼くことで、意識が『シェア軸』になる。その土地のストーリーを感じながら記憶の共有をすることが、次世代の旅に必要なポイントだと考えます」(成田さん)

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