最も思い入れがあるのは、宮城県気仙沼市の「岩井崎の塩」だそう。塩の名産地だった岩井崎では、1683年に赤穂藩によってもたらされた方法“播州流入浜式”の導入で、塩作りの技術が飛躍的に向上したとされます。永石さんはこの話に運命を感じ、かつて気仙沼市の人に世話になった経験も手伝って「どうしても店に置きたい」と現地まで交渉に赴いた末、陳列にこぎつけました。
「今後も妥協せず、こだわりの商品を増やしていきたい」と永石さん。その精神に地域の歴史・伝統を受け継ぐ赤穂・坂越の土産物店は、地元や各地の品を全国に届けるための現代の“寄港地”と言えそうです。

【参考】
・『赤穂市文化財調査報告書72 坂越の船祭り総合調査報告書』(平成22年12月24日発行/赤穂市教育委員会)
・赤穂市歴史文化基本構想(平成30年6月/赤穂市)
・『坂越廻船と奥藤家』(赤穂市立歴史博物館 特別図録No.9)
・「日本遺産 ポータルサイト」(文化庁)
・「気仙沼に来てけいらん」(気仙沼観光推進機構)
※ラジオ関西『谷五郎の笑って暮らそう』2024年1月16日放送回より


