能登半島地震の被災地・石川県穴水町や輪島市で、避難所での被災者への寄り添いや、災害に便乗した犯罪の抑止のために兵庫県警が派遣した「特別生活安全部隊」が23日、10日間の任務を終えて帰還した。
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部隊は兵庫県警・生活安全部の各部署で、志願した20代から40代の男女6人の警察官で構成。
京都府警、滋賀県警との合同部隊として、のべ47か所の避難所を回り、被災者からの相談に幅広く対応し、心のケアにも取り組んだ。
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兵庫県警には、1995(平成7)年の阪神・淡路大震災発生時に結成した女性警察官部隊「のじぎく隊」がある。のじぎく(野路菊)は兵庫県花。今回の派遣では、男女の区別なく、被災地での支援部隊の総称として「のじぎく隊」とした。
6人の警察官に、10日間で感じた『寄り添い』のあり方を聞いた。
(※記事中・被災地での写真=兵庫県警提供)
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保安課・田中茂毅警部補は、20歳の時、阪神・淡路大震災で神戸市須磨区の実家が全壊した。能登半島地震の被災地も、当時の神戸と同じような家屋の倒壊、道路の陥没、当時のことがよみがえった。それでも、被災者の前向きな姿勢に、「逆に私たちが元気をもらった」と振り返る。そして自身の29年前の経験から「長い道のり、必ず復興して目の前の状況は変わっていきますから」と避難所で励ました。先が見えなかったのは自身も同じ。「改めて『寄り添い』の重要性を感じた」と話した。
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東日本大震災発生時、機動隊員として捜索活動に当たった生活経済課・井出裕一朗巡査部長は、実際に被災者と触れ合うのは初めてだった。「いつ兵庫でも同じ災害が起きても不思議ではない。食料や水などの物資の不足はないか、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの対策や、衛生面での配慮が必要だった」と話し、捜索や救助と異なる、きめ細やかな『寄り添い』の大切さを語った。