大阪市中心部から北へ車で約50分、豊能町高山にある宿泊施設を備えたレストラン『オーベルジュ ヤマガミ』。オーナーシェフの山上忠彦さんは、自ら栽培した米や野菜、狩猟で得たジビエ肉を使った料理を提供するほか、ワイナリーの開設を目指して活動している。今秋には初めての自家製ワインが完成する予定だ。
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大阪市内でイタリアンレストランを営む中で、いつしか農業と狩猟をしながら“農家宿レストラン”を開きたいと考えるようになった山上さん。休日になると近隣の里山を訪ね歩き、たどり着いたのが大阪府内でも昼夜の寒暖差が大きく冷涼な気候と豊かな土壌を持つ豊能町だった。移住を決意し、2018年春『オーベルジュ ヤマガミ』をオープンした。
オーベルジュの経営と並行して取り組んだのが棚田の再生だ。豊能町では後継者不足や獣害による農家離れなどで耕作放棄地が増えており、里山の美しい風景を作り出す棚田も石垣が崩れたり、野生動物の住処になったりしているという。山上さんは「山に飲み込まれている棚田を開墾し、もう一度畑に生まれ変わらせる作業です。ただ、棚田を保全しながら営農するには付加価値の高い物を生産しなければ継続できません。そこで、豊能町の気候や土壌に適したぶどうを栽培し、ワインを作ることにしました」と話す。
ワイナリー開設の活動に賛同するプロジェクトメンバーとともに2021年から棚田の再生とぶどう栽培を行い、現在の栽培面積は1ヘクタール以上、ぶどうの苗木の本数は400本を超えるという。オーベルジュに併設した倉庫をワイン醸造所に改築する工事も進行中だ。
今年の秋に初めてのワイン醸造を目指す一方で、醸造所の建設費用が予想以上に高騰したことから昨年末よりクラウドファンディングをスタート。リターンにはオーベルジュの宿泊券や食事券などを用意し、支援を呼び掛けている。山上さんは「『とよの高山ワイナリー』は大阪北部初、またオーベルジュに併設する施設としては関西初のワイナリーとなります。ぜひ新鮮な野菜やジビエ料理を自家製ワインとともに楽しんでいただければ嬉しいです」と呼びかけた。支援募集は、2024年2月14日(水)午後11時59分59秒まで。
※ラジオ関西『羽川英樹ハッスル!』2024年2月1日放送回、「ハッスル応援団」より
◆クラウドファンディング「棚田を再生したワイン造り とよの高山ワイナリー」
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