◆鉄アナ・羽川英樹「行ってきました!」
四国最大の人口50万人を擁する愛媛県松山市。この街に伊予鉄道が走り始めたのは1888(明治21)年のことで、南海電鉄に次いで日本の民営鉄道で2番目の古い歴史を誇ります。現在は『松山市駅』から3つの路線が伸びる「郊外電車」(郊外線)と、市内を1周する路面電車区間の「市内電車」(市内線)を保有しています。
今回は、いよてつ高島屋(※「高」=はしごだか)のまん前にある『松山市駅』から、市内を時計と逆回り(内回り)に走る2号線の路面電車に乗ってみました。
1周7.3kmの間には、21の停留所があります。『松山市駅』からしばらく松山城のお濠(ほり)沿いに進むと『県庁前』。左側に1929(昭和4)年に完成した堂々たる愛媛県庁本庁舎が姿を現します。ドーム状の屋根と左右対称の風格ある建物が目をひきます。
『大街道』は市内きっての繁華街。全長500メートルの広いアーケードには、戦後まもなく開業した老舗・松山三越もあります。また北側に500メートルほど歩くと松山城へのロープウェイ乗り場「東雲口」に到着します。
ここからは城山の8合目にある「長者ケ平」までロープウェイとリフトが運行されています。私は自然の風を肌で感じられ、待ち時間もないリフトを選んで6分間の空中散歩を楽しみました。標高132メートルの勝山山頂に本丸、山麓に二の丸・三の丸を構える松山城。上るルートは4つあり、市民の散策路としても人気があります。
路面電車に戻り、『上一万』は道後線との分岐駅なので、ここで道後温泉行に乗り変えてみましょう。途中駅『南町』の横にあるのが県民文化会館。ここのメインホールの客席は2725席あり、大阪のフェスティバルホールを上回って西日本最大級のスケールを誇ります。