そして最後の目的地は『丹波市立丹波竜化石工房 ちーたんの館』。丹波竜の実物大全身骨格模型をはじめ、様々な恐竜やいきものの化石・標本の展示を観察できるうえ、実際に触りながら学習できる展示も多数あります。事前問い合わせで、専属のエデュケーターによる解説を聞くことも可能で、丹波竜や古代の生き物をより深く知り、身近に感じるきっかけにもつながります。(リニューアル工事のため、2024年9月下旬から2025年7月上旬は休館)
◆フィールドミュージアムを通じて考えるSDGs
同プログラムでは、気候変動について考えるきっかけを提供したいという思いも。「丹波竜をはじめ恐竜はなぜいなくなったのかは諸説ありますが、その一つとして気候変動があげられています。今、自然災害や気候変動や急激に進む都市化など世界規模の課題が山積していますが、遠い昔、恐竜が暮らしたのもこの地球です。フィールドミュージアムでは、長い地球の歴史を知って、地球や自然の豊かさを守り、私たちの暮らしとの共存に取り組む輪を未来につなげるきっかけになればと考えています」と佐藤さん。
篠山層群では、丹波竜の愛称で親しまれている「タンバティタニス・アミキティアエ」や、日本最古級のほ乳類「ササヤマミロス・カワイイ」のように、地域の名前が学名につく世界的にも貴重な発見が今も続いているとのこと。同プログラムでは、こうした化石の発掘体験や見学などを通じて、地球の歴史を知るきっかけを提供しています。里山で太古の時代から現代までを体感することで、未来について思いを馳せてみるのもいいかもしれません。
(取材・文=市岡千枝)