水産物、農産物が豊富な鳥取県。有名なのは冬のカニや初秋の梨、そして、この初夏の時期はらっきょうです。しかし、実は6月の今、旬を迎えているのが「マグロ」と「すいか」ということを、皆さんご存知でしょうか。このたび、鳥取県の『マグロ博士』『すいか博士』という2人のスペシャリストに、今年の鳥取産「マグロ」「すいか」について聞いてみました。
マグロといえば、本州の北端に位置する青森の大間や、宮城、静岡あたりでよくとれるイメージがありますが、生のクロマグロ水揚げ量が昨年(2023年)全国2位だったのは、鳥取県の境港(1位は宮城県の塩釜港)なのです。
「水揚げされてすぐさばいて、お店にならぶ。とても新鮮でくさみもない。なめらかな舌ざわりで、うま味、酸味、甘味がバランスよく口に広がる。2~3回かむと、とろけてなくなるほど」と、鳥取産マグロを熱くアピールするのは、『マグロ博士』こと、鳥取県の永島宗弥さん。今年は「国の漁獲管理の成果もあって、100キロくらいの超大物が目立つ。水揚げ量もあり、お買い求めいただきやすい価格で販売されている」と、手ごたえを実感しているよう。
また、永島さんによると、境港付近では、マグロのすしやさしみはもちろん、なかなか普段は食べられない胃袋や卵巣など内臓料理を味わえるお店もあるのだとか。一昨年には、地元の高校生が飲食店とタイアップしてクロマグロの胃袋を使った缶詰が、高校生向けのローカルフィッシュ(地域の課題魚)オリジナル缶詰コンテストで最優秀賞に輝くなど、地元のマグロをいかした活動も活発です。
近年は、外国での日本食ブームなどで海外産の水産物が高騰していることもあり、鳥取のマグロも需要が高まっているとのこと。鳥取で外国人客がマグロに舌鼓を打つ様子も見られるそうで、永島さんは、「鳥取=マグロのイメージを築きあげたい。まずは国内からですが、ゆくゆくは海外にもPRできれば」と意気込んでいました。
一方、すいかといえば、熊本、千葉、山形あたりが有名ですが、鳥取は兵庫の隣と関西に近いこともあってか、筆者の周辺でも「鳥取はすいかも有名!」という声が聞かれるなど、関西圏ではおなじみの存在になりつつあるようです。
シャリ感と甘さ、たっぷりのみずみずしさを持ち、大玉が魅力的だという、鳥取のすいかは、北栄町(大栄すいか)や倉吉市(倉吉「極実西瓜=ごくみすいか」)、琴浦町(琴浦がぶりこ)などで生産されています(※鳥取県公式サイトより)。夏の果物のイメージがありますが、鳥取産の旬は6月から7月中旬までだそう。この時期、関西をはじめとする市場に数多く出回っています。