カメムシや外来カミキリなど15種の生きものを対象とした市民による生物調査「夏休み生きものクエスト2024~神戸で夏の生きものさがし~」を神戸市が実施している。同市全域をエリアに、スマホアプリを活用して生きものの分布などを調べる取り組みで、集まった結果は後日、ホームページで公表される。調査期間は8月31日(土)まで。
同調査は3年目で、今年はカブトムシやハグロトンボなど里山にいる生きもののほか、初めて4種類のカメムシをエントリー。また、樹木の内部を食べて枯死させる外来昆虫「ツヤハダゴマダラカミキリ」「クビアカツヤカミキリ」も昨年に引き続き調査対象としている。
神戸市は都市部近郊に山が広がり、豊かな自然に恵まれる一方で、港を通じて入ったとみられる外来生物も確認されており、市は自然環境保全のためのさまざまな活動を展開中だ。
4種のカメムシのうち、艶のある鮮やかな緑色の「ツヤアオカメムシ」は昨年、都市部で大量発生、大きな話題となった。今年は昨年以上の大発生が危惧されており、兵庫県をはじめ多くの地域で「カメムシ注意報」が発令されている。
ツヤアオカメムシは体長約15ミリ。ミカンやカキなどの果樹の汁を吸って農作物に害を与える一方、スギやヒノキの実を食べて繁殖。昨年の大発生はそれらの実が多かった影響とみられる。森林から市街地に飛んできて、夜、水銀灯や蛍光灯に集まり、虫嫌いの人を震え上がらせる。個体数が多い上、街中にやってくるため目立ち、カメムシと言えばツヤアオカメムシを思い浮かべる人も少なくない。
そのほか羽の一部が茶色の「チャバネアオカメムシ」と全身が薄茶色の「クサギカメムシ」は山の近くに、外来種で、黄色の斑点がある「キマダラカメムシ」は街中の公園などに生息。はっきりとした外見の違いがあるため、特徴を覚えたら比較的容易に見分けることができそうだ。
神戸市によると、これまでカメムシの調査は農家向けのものが中心で、都市部におけるリサーチはほとんどなかったという。神戸市環境局自然環境課の武田敦之係長は「たくさんの人に調査に参加してもらい、結果を広く市民に伝えていきたい」と話し、家庭でできるカメムシ対策として、▽室内灯をLEDにする ▽大発生中は、洗濯物は室内に干す ▽家の中に入ってきた場合は底を切った空のペットボトルに追い込み、外に放す、などを挙げた。