この新快速はまず4両で『米原』までは各駅に停まります。そして『米原』で8両増結して12両編成となって大阪・姫路方面に向かいます。琵琶湖の東側を走る琵琶湖線は、湖西線とはちがって琵琶湖はほとんど見えず、『石山』の手前で瀬田川を渡るときに一瞬見える程度です。
『米原』を出て観光地も多い『彦根』『能登川』『近江八幡』と停車。そして『野洲』以降の『守山』『草津』『南草津』『石山』では大阪・京都のベッドタウンとして成長した各市の発展ぶりをしっかり感じ取ってください。乗り換えた『近江塩津』からは1時間31分で、『大津』に到着です。
結局、本来なら1駅4分で行けるところを46駅・163km・トータル2時間43分の旅を楽しむことができましたし、湖西・湖北・湖東・湖南の地域色の違いも身をもって感じることができました。
この大回り旅のルールは大都市近郊区間内であること、一筆書きで回って路線を重複しないこと、途中下車しないこと、当日中に実行することとなります。IC乗車券は制限時間2時間ではじかれるので、切符乗車がのぞましいでしょう。車内改札があれば「大周り」している旨を告げ、そのルート図も見せるとスムーズです。
他に大阪近郊区間では、『尼崎』～『塚口』（宝塚線）の1駅切符150円で、『尼崎』（神戸線）→『加古川』（加古川線）→『谷川』（福知山線・宝塚線）→『塚口』と大回りするのもおすすめです。ただし、途中、加古川線の『西脇市』～『谷川』間が日中2時間おきにしか運行がないことと、『谷川』での福知山線との接続が悪いことは頭に入れておいてください。
また今後ぜひ挑戦したいのは『大阪』～『福島』（大阪環状線）の1駅切符で、大阪・京都・滋賀・三重・奈良・和歌山の5府県を乗り継ぐロングラン大回り旅です。そのルートとは『大阪』（京都線・琵琶湖線）→『草津』（草津線）→『柘植』（関西本線・大和路線）→『奈良』（万葉まほろば線）→『高田』（和歌山線）→『和歌山』（阪和線）→『天王寺』（環状線外回り）→『福島』という壮大な大回りです。
この場合、大阪を朝のラッシュを避けて午前9時30分発の新快速に乗ると、この経路で福島に戻ってくるのが午後6時11分。普段なら1駅2分の区間を8時間41分かけて乗っていても、運賃は1駅分の140円でOK。こんなん、好きやないとできませんねえ。（羽川英樹）
