そうは言っても、傘を差している人はいます。
町でよく見かけるのは、自動車を購入した際になぜかもらえる、ゴルフ場で使うような大型の傘。その頑丈な傘を使っている人が多いように思います。
こちらのスコールはバケツをひっくり返したようなゲリラ豪雨のため、ビニール傘や折りたたみでは到底、風雨は防げません。ビニール傘は透明なため視界もよく低価格なため、日本ではよく購入していましたが、たしかにマレーシアでは役に立ちそうにありません。
それでも、昔に比べて折りたたみ傘を持ち歩く人が増えた、とローカルの友達は言います。気象異常の影響なのか乾季なのに大洪水が発生するなど、以前より天候が読みにくくなっているからではないでしょうか。また、季節を問わず、日差しが異常に強い日があり、折り畳み傘なら日傘としても代用できて大変重宝するそうです。
日本も2024年の梅雨入りが例年より大幅に遅れたように、近年、ゲリラ豪雨を含む異常気象が頻繁に見られるようになりました。日本で今主流のビニール傘の出番も、気象変動に伴って、もしかしたら日本からなくなる日が来るかもしれません。
(取材・文=斉藤絵美)