関西の夏の味覚のひとつと言えば「ハモ」。今年もそのシーズンがスタートした。神戸市須磨区にある産直市場「ナナ・ファーム須磨」の担当者に今年のハモについて聞いた。
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関西において兵庫県の淡路島は屈指のハモ漁場として知られているが、その中でも島南東部に位置する由良漁港の周辺はハモをはじめとする魚介の生育に向いていると言われている。和歌山方面から栄養豊富な真水が流れ込んでくるためプランクトンや海藻類が豊富なのだ。そして、それらをエサとする魚は良質なものが多く、京都や大阪の高級料亭などにも出荷されるほど。
由良で獲れたハモは骨が細く身が柔らかい。9月の産卵に向けてエサをしっかり食べており、大きく育った身は白くつややかだ。「6月に入り由良のハモが出回りだすと、“このシーズンを待ってました”と言わんばかりのお客様たちが瞬く間に購入していきます」と、担当者。
「今年のハモは脂乗りが良い。タンパク質・ビタミンA・カルシウムなど、夏の疲れや美容に働きかける栄養素がたくさん詰まっています。鮮魚コーナーに並ぶのは骨切りしたハモとハモの湯引きですが、天ぷらや照り焼きにもアレンジもできます」と担当者は話した。ちなみに、淡路島では毎年ハモの豊漁を願って「供養祭」が行われ、島の特産たまねぎと一緒にダシで煮込んだ「ハモすき鍋」が親しまれているのだそう。
※ラジオ関西『Clip月曜日』6月10日放送回より