こうした中、メトロは“ポスト万博”での空飛ぶクルマの商用運航に向けて、大阪港中央突堤や2028年開業予定の中央線森ノ宮新駅ビル屋上(大阪市城東区)に離着陸場を設け、同年にも商用運行をスタートさせるべく、運営面で連携する。
大阪メトロの河井英明社長は「前例がなく、両社ともかなりのエネルギーを投入することになると思う。単なる業務提携ではなく、スカイドライブ社に出資することで事業を加速させたい」と話した。
メトロは10月にも、空飛ぶクルマの専門部署を設け、ビジネスモデルの構築や運用の具体化を急ぐ。
またスカイ社の福沢知浩・最高経営責任者(CEO)は「100年に1度のモビリティ革命というミッションを課されている。100年前は地上では車や鉄道、飛行機という交通手段が登場して生活が変わった。今度は空の世界で大きな変化が現れる。便利で楽しいだけでなく、山間部など道路整備が困難な場所での交通インフラになる。通信手段に例えると、電話回線(有線)からインターネット(無線)になるようなイメージだ」と語った。
空飛ぶクルマは垂直に離着陸できる電動式の機体で、滑走路を必要としないため、都市部を結ぶ交通網として期待されている。スカイドライブは3人乗り機体を開発中で、最大時速は100キロメートル、航続距離は15〜40キロに及ぶ。
当初は万博会場・夢洲(ゆめしま)への輸送のため乗客を乗せる商用運航を予定していた。
しかし現状の開発計画に照らすと、安全性、環境適合性の基準を満たす型式(かたしき/けいしき)証明(※)を万博までに取得することは時間的に難しく、事実上の断念となった。
大阪・関西万博では客を乗せず、「デモフライト」を予定している。
【skydrive オフィシャルウェブサイト】
【2025年大阪・関西万博 公式ウェブサイト】
■【SkyDrive】SD-05 Zero Emission Flying Vehicle(「SD-05」イメージ動画)(c)SkyDrive