“伝統と挑戦”で築いた70年 神戸の老舗印刷会社 PCや3Dプリンターも早期に導入した先駆者精神 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

“伝統と挑戦”で築いた70年 神戸の老舗印刷会社 PCや3Dプリンターも早期に導入した先駆者精神

LINEで送る

この記事の写真を見る(6枚)

 神戸の春日野道に、今年創業70周年を迎える老舗の印刷会社があります。長きにわたる事業展開の中で守ってきた技術について、そして常に新しいことに挑戦し続ける姿勢について聞きました。

 これまで「『水と空気以外なら何でも印刷できる』をモットーにシルク印刷業を営んできました」と話すのは、株式会社シンプロ(本社:神戸市中央区)代表取締役の湊恭太郎さんです。

株式会社シンプロ本社(提供:株式会社シンプロ)
株式会社シンプロ本社(提供:株式会社シンプロ)

 “シルクスクリーン”とも呼ばれるシルク印刷とは、版の上からインクを押し付けて製品に印刷する、昔ながらの伝統的な技法です。この技法で、各種看板やゴム工業品への印刷、電車の運賃表や駅構内などの看板、百貨店のディスプレイなどの製作・施工も行っているのだそうです。

シルク印刷風景(提供:株式会社シンプロ)
シルク印刷風景(提供:株式会社シンプロ)

 特に、ゴム製の工業品への印刷はこの技法が用いられているとのこと。例えば、車のボンネット内に取り付けられたファンベルトのベルトマークのロゴ印刷などがそれにあたります。

 一方で湊さんは、「今までの技術などを大事にするのはもちろんですが、常に新しいことを追っていきたいです」とも。実際に、これまで“新しいこと”を取り入れてきた事例として、発売当時はビジネス目的ではほとんど活用されていなかったパソコン(初代Mac、1984年発売)を早々に導入。デジタル化に向けて取り組んだといいます。

 3Dプリンターも、機器が出始めて「すぐに取り入れた」(湊さん)のだとか。結果的に直接の商品化にはつながりませんでしたが、金属3Dプリンターを所有する会社とタイアップして50センチほどの銅像を作成したり、ゴルフのパターを販売したりしたそうです。

3Dプリンターで作成した銅像(提供:株式会社シンプロ)
3Dプリンターで作成した銅像 写真のものは高さ10センチ(提供:株式会社シンプロ)
3Dプリンターで作成したパター(提供:株式会社シンプロ)
3Dプリンターで作成したパター(提供:株式会社シンプロ)

 湊さんは「創業当時からの技術・手法も大切にしながら、印刷業の可能性と、自社にしかできない独自性を常に追求していきたい」と、今後の展望を語って締めくくりました。

画像右:株式会社シンプロ代表取締役の湊恭太郎さん 画像左:パーソナリティの谷五郎
画像右:株式会社シンプロ代表取締役の湊恭太郎さん 画像左:パーソナリティの谷五郎

※ラジオ関西『谷五郎の笑って暮らそう』2024年8月25日放送回より

(取材・文=洲崎春花)

LINEで送る

関連記事