南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の発表などで高まった防災意識。その一方で、懸念されたのが、水と米の買いだめの発生。特に米は、店頭から一時的になくなるなどの報告がメディアやSNS上で飛び交い、なかにはJリーガーなどプロアスリートからも「米が買えない……」という悲痛な叫びも出るほど。「令和の米騒動」というワードとともに、米の品薄の様子が日々報道されています。
今回の教訓のもと、普段、米はどのくらい家庭で保存、備蓄することがいいのでしょうか。また、今回の米の状況がいつ改善されるのでしょうか。兵庫県や農林水産省がまとめている情報に注目するとともに、兵庫県農林水産部の担当者に話を聞きました。
兵庫県では、防災の実践「備える」と題して、災害時の食糧の備えについてまとめた『いざという時の心構え 災害時の食に備える』や『災害時にも役立つお米・ごはんBOOK』などのパンフレットを作成し、県の公式サイトにも掲載しています。
『災害時にも役立つお米・ごはんBOOK』には、食べ慣れた食品を最低3日分、できれば1週間分買い置きすることを推奨した「買い置き食品リスト」が設けられ、1人あたり3日分の量として、パックごはんは6パック、無洗米は1.5合という目安が記されています。
米1キログラムは約6.7合。1人あたり無洗米1.5合いるということを考えると、米1キロはおおよそ4人分の量に相当します。4人家族だと、1週間で約2キロということになるでしょうか。
発災後の混乱した状況でも、簡単に食べられるものということが前提になると、開けただけで食べられるもの、お湯を沸かすなどの簡単な調理で食べられるものが、備蓄には最適と考えられています。(※『いざという時の心構え 災害時の食に備える』より)
兵庫県の担当者によると、備蓄に望ましいとされるのは、パックごはん、無洗米のほかに、レトルトのお粥、水を入れると食べられるα(アルファ)化米などです。
普段からもしものときに備えて、これらをうまく活用しつつ、使いながら買い足すローリングストックの習慣づけが求められます。
一方、農林水産省の公式サイトには、米の保存に関して、「お米は野菜と同じく生鮮食品であり、保存の仕方によっても味は変わる」と掲載。「売られているお米の袋には、店頭に並べている間に封がやぶれないように、小さな穴が開けられています。お米はこの穴から呼吸し、外の湿気や臭いにふれ、味が落ちる原因となります。購入後はチャックで密閉できる食品保存袋に小分けして、冷蔵庫や野菜室で保管することをおすすめします」という記述もあります。(以上、農林水産省「お米のおいしさがアップする炊き方と保存法」より)