『京セラ前』は1991年に八日市工場への通勤用に京セラが要望してできた駅。しかし、ここを京セラドーム大阪の嵐のライブ会場だと勘違いして、多くのファンがここまで押し寄せたことがありました。そこで沿線の駅には「このまま乗っても京セラドームにはいけません。とりあえずJR大阪駅を目指してください」の案内がいまも掲示されています。
『大学前』の駅横にはびわこ学院大学のキャンパスが広がります。2009に短大から4年制となり、系列の滋賀学園高校は今年の夏、甲子園でベスト8まで進む健闘を見せました。
『八日市』は近江鉄道本線の中間拠点であり、東近江市のターミナル駅。始発の『貴生川』から約42分で到着し、ここで近江八幡に向かう八日市線とも接続します。駅舎は沿線随一の近代的なつくりで、2階には鉄道ファンにぜひ足を向けてほしい近江鉄道ミュージアム(入館無料)も入っています。また8月23日には、会員制の大型スーパー「コストコ」の滋賀県初となる店舗(東近江倉庫店)が名神八日市インターの近くに開業したため、『八日市』駅前からのバス便が増発されています。
近江鉄道では旧西武車両に懐かしの復刻車両のラッピング電車、そして最新の2020年登場の300形など、いろんな車両に出会うことができます。今年度からは赤字解消のため、運行は近江鉄道、鉄道施設は県と沿線自治体という、上下分離方式で運営され、経営の改善に乗り出しています。
なお、現在、金土日と祝日には900円で近江鉄道全線1日乗り放題の乗車券「1デイスマイルチケット」が発売されています。今回乗車した『貴生川』~『八日市』でも片道800円ですから、これはかなりお得。爽やかな秋が来れば、水口や日野の街散歩やグルメ探訪をしながら、ぜひ数々の鉄道遺産から126年の歴史が体感できる“ガチャコンの旅”を楽しんでみてください。(羽川英樹)