NHK大河ドラマ『光る君へ』で注目度が高まる『源氏物語』。兵庫県明石市は、物語と縁の深い明石のまちの魅力を発信する「あかし源氏物語プロジェクト」を始動させました。「源氏物語✕明石 2024秋冬」と銘打ったさまざまな企画を、9月から本格的に実施します。
『源氏物語』で明石の浦は、“ゆほびかなる所”(もともと「ゆったりとして穏やかな所」の意)と紹介され、第13帖「明石の巻」では、月見の名所と感じられるシーンや和歌がつづられています。
市内各地を訪れてもらおうと、中秋の名月を迎える時期に合わせてスタートする同プロジェクトでは、ゆかりの地の散策マップやしおりを作成。第五代明石藩主・松平忠国公をガイド役としてイラストにしました。忠国公は資料が多くは残っていないため、子孫の顔をベースに作成したとのことです。
忠国公は、架空の世界である源氏物語の「明石の巻」に描かれた情景を思い描き、城下にある実在の寺などを、物語に登場する場所に見立てたとされています。
忠国公が自らの詠歌を刻んだ碑を建立したとされる「善楽寺」(同市大観町)は、光源氏を須磨から明石へ導いた明石入道の館跡に見立てられています。境内には「明石入道の碑」や光源氏ゆかりの松がたたずんでいます。
そのすぐ近くにある「無量光寺」(同市大観町)は光源氏が月見を楽しんだ場所とされ、山門の土塀沿いの路地は、光源氏が明石の君の住む館へ通った道に見立てて「蔦の細道」と呼ばれています。境内には「源氏稲荷」もあります。