“鉄っちゃんアナ”としても親しまれる鉄道通のフリーアナウンサー・羽川英樹さんのラジトピコラム「羽川英樹の出発進行!」。今回、羽川アナが現地取材したのは、長良川鉄道の『美濃太田』~『郡上八幡』です。それでは、出発進行!
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岐阜県を走る第三セクター・長良川鉄道は、かつて国鉄・越美南線だった『美濃太田』~『北濃』の約72kmを受け継ぎ、1986(昭和61)年に開業しました。
もともと国鉄・越美線は文字通り福井と美濃を結ぶ路線として計画され、北線は現在JR越美北線(愛称・九頭竜線)として越前花堂~九頭竜湖間の52.5kmを結び、南線は長良川鉄道が引き継ぎました。九頭竜湖~北濃間の24kmは過疎と急こう配のため、今もつながらないままとなっています。
長良川鉄道の起点、『美濃太田』は、岐阜からJRの高山本線の普通で35分ほどのところ。駅の所在地は美濃加茂市ですが、駅名は開業当時の町名・加茂郡太田町に由来します。ちなみに、かつて美濃国加茂郡太田村といわれたこの地、中山道51番目の宿場町「太田宿」は、今も歴史情緒あふれる町並みが残り、観光スポットとして親しまれています。
ここ『美濃太田』はJRとの共同使用駅。高山本線と多治見に向かう太多(たいた)線が乗り入れており、ちょうど高山に向かうHC85系の特急ひだも停車中でした。
駅の一番端にある長良川鉄道のホームに停まっていたのは、たった1両の気動車。派手なボディはさくらももこさん原作の地元を舞台にした「GJ8マン(ジー・ジェイ・エイトマン)」のラッピングでした。
乗車して約20分で『関』に到着。かつては名鉄美濃町線もこの駅まで伸びていました。長良川鉄道の本社もある『関』は、ドイツのゾーリンゲンやイギリスのシェフィールドと並んで世界三大刃物の産地としても有名。岐阜関刃物会館では2千点を超える包丁やハサミを安く手に入れることができますし、刃物の技術のすばらしさを伝える関鍛冶伝承館にもぜひ立ち寄りたいところです。