次の見どころは『美濃市』にありました。同駅から歩いて3分ほどのところにあるのは、「旧名鉄美濃駅」(旧名鉄美濃町線美濃駅)。大正12(1923)年に開業した駅舎がしっかり保存され、構内には数多くの鉄道資料が展示されています。
駅舎から外に出ると……おおっ! なつかしい車両たちが3両も勢ぞろい。カーブが曲がりやすいように設計された独特の細長い車体の「モ601」、丸窓電車として人気を集めた「モ512」、ノスタルジックなカラーリングの593系が出迎えてくれます。入館無料もうれしいですね。
野口五郎の故郷でもある美濃市には、豪商が富を誇示する「うだつ」(屋根に設置した防火壁)の街並がしっかり残り、美濃和紙のライトアップ(「美濃和紙あかりアート展」)も12月1日まで開催されています。
『湯の洞温泉口』を過ぎたころから長良川が見えてきます。ここからは川の流れが車窓の右に左にと変化しながら、いくつもの橋梁を渡っていきます。
そんな眺めを満喫してもらおうと2016(平成28)年に登場したのが、鮮やかなロイヤルレッドが目をひく観光列車「ながら」です。車両デザインは、デザイナーの水戸岡鋭治さんが担当。内装には岐阜の木材や郡上八幡ののれんなどが使われ、地元シェフが腕をふるった豪華ランチを楽しむこともできるんです。現在は金土日祝に『美濃太田』~『郡上八幡』間で運行されています。