スポーツの秋 悩ましい“筋肉痛”←じつは2種類存在 仕組み&2つの対処法を有識者が解説 注意点も | ラジトピ ラジオ関西トピックス

スポーツの秋 悩ましい“筋肉痛”←じつは2種類存在 仕組み&2つの対処法を有識者が解説 注意点も

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 スポーツの秋。過ごしやすい気候の中、久しぶりに体を動かして日頃の運動不足を解消しようと考えている人も多いのではないでしょうか。しかし久々に、あるいは急に体を動かすと、ちょっと長めの距離を歩いただけでも筋肉痛になってしまうことがありますよね。

 そこで、筋肉痛のメカニズムや筋肉痛を和らげる方法について、生活習慣病予防に向けた取り組みや健康管理指導を行う非営利活動法人・日本成人病予防協会の八幡智子さんに話を聞きました。

筋肉痛はなぜ起こる?
筋肉痛はなぜ起こる?

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 そもそも、筋肉痛はなぜ起こるのでしょうか? 八幡さんによると、筋肉は痛みが生じるまでの時間によって「即発性筋痛」と「遅発性筋痛」の2種類に分かれるのだそう。「即発性筋痛は、運動した直後や運動している最中など、比較的早い段階で起こる筋肉痛で『筋肉疲労』とも呼ばれています。激しい運動により筋肉に強い負荷がかかると、筋肉の代謝物である水素イオンが溜まり筋肉が急激に酸性に傾くことで『痛い』『重い』などの症状が起こるといわれています」と八幡さんは説明します。

 遅発性筋痛とは「運動してから数時間~数日後に生じる、いわゆる一般的な筋肉痛です」とのこと。「運動による筋繊維の損傷を修復する際の炎症が痛みを引き起こすといわれます。普段使わない筋肉を使ったり同じ動作を繰り返したりすることで、筋肉を構成している筋繊維に傷ができ、傷んだ箇所を修復する際に生じた炎症反応が痛みを生み出す物質を生成。筋肉痛が起こると考えられています」(八幡さん)

 では、なぜ痛みの発生まで時差が生じるのでしょうか。

「筋線維自体には痛みを感じる神経はないため、炎症が広がって、痛みを生み出す物質が“筋膜”に届くようになってから痛みを感じるようになります。そのため、“筋肉痛”が遅れてやってくるのです」(八幡さん)

 ちなみに、ちまたでは“筋肉痛は年齢を重ねるほど後からやってくる”と言われることもありますが、「年齢と筋肉痛に因果関係はありません」と八幡さん。「筋肉痛が発生するタイミングに関係しているのは『運動強度』です。運動強度が高いと筋肉痛は比較的早く訪れ、低いと筋肉痛は遅くやってきます。一般的に、年齢を重ねると全力疾走や激しい筋トレなど強度の高い運動をする機会が減るため、加齢によって筋肉痛が遅く出るようになった……と勘違いしてしまうのです」と解説しました。

 起こってしまった筋肉痛を和らげるための対処法も教えてもらいました。八幡さんによると、ポイントは2つあります。

①入浴などで温めて血流を良くする
②意識的にストレッチなどを行い、筋肉のこわばりを緩める

筋肉痛の緩和に効果的とされる対処法の一つ「入浴」
筋肉痛の緩和に効果的とされる対処法の一つ「入浴」
筋肉痛が起こったとき時におすすめの「ストレッチ」
筋肉痛が起こったとき時におすすめの「ストレッチ」

 ただし熱感や強い痛みがある場合、すぐに温めるのは逆効果なのだとか。まずは患部をしっかり冷やし、痛みの症状が落ち着いてから温めるようにとのことでした。

(取材・文=迫田ヒロミ)

※ラジオ関西『Clip』2024年11月5日放送回より

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