野球が好きな人でも聞きなじみが薄いかもしれない「準硬式野球」。実は近年、大学を中心に盛り上がりを見せており、今月には甲子園(兵庫県西宮市)で全国大会も行われる。
硬式や軟式とはいったい何が違うのか? どのような選手がプレーしているのか? 全日本大学準硬式野球連盟「甲子園プロジェクト」学生委員長の鈴置結希奈さん(大阪教育大学)に話を聞いた。
◆大きな違いは「ボール」 バットは……?
準硬式野球で特徴的なのはボール。「ハイブリッドボール」と呼ばれ、中身は硬式のように芯があり、外側は軟式のようなゴムで覆われているという。
打球音は硬式に似たカーンといった響きながら、外側がゴムで摩擦抵抗が大きいため、外野フライや内野ゴロは若干失速しやすい傾向にあるそう。
ボールの使用感は選手によって違うとのことだが、軟式野球の経験者の中には、「硬式は難しいけど準硬式のボールならチャレンジできる」と感じる人もいるという。ちなみにバットに関しては木製でも金属製でも、好きな方を使ってよいそうだ。
◆目指すは文武両道
全日本大学準硬式野球連盟の理念は「アマチュアスポーツの精神に則り学業との両立を目指す」こと。そのため、“野球漬け”の生活ではなく、各地区のリーグ戦や全国大会も学業のさまたげにならないように運営されている。
もちろん本気で野球だけを追いかける選手もいるが、医学部で国家資格を目指しながら野球を続けるなど、それぞれの目標を抱えながら頑張る選手が多いそう。また、なかには監督がいない大学もあるため、練習メニューを自分たちで考えたり会計も学生が担当したり、運営に必要な資格を取ったりと学生主体で取り組んでいることも大学準硬式野球の大きな魅力だという。