兵庫県福崎町の天台宗古刹・応聖寺(おうしょうじ)で、紅葉の見ごろを迎えた。12月10日ごろまで楽しむことができる。
応聖寺には1000種以上の植物が育つ。四季折々の花々を見てほしいという思いから、出来るだけ手を入れず自然な姿を残している。
春には桜、秋にはシオン(紫菀=十五夜草)、ホトトギス、タカノハ(鷹の羽)、ススキ、ムラサキシキブ、コムラサキ、さらに11月に秋が深まれば、ツワブキ(艶蕗)、カイノキ(楷樹)の紅葉。
そして、12月初旬には低木のセンリョウ・マンリョウが色づき、しだいに全山がモミジに包まれる。境内にはイロハモミジや、ハウチワカエデ(羽団扇楓)、オオイタヤメイゲツ(大板屋明月)などがあり、朱色や黄色の鮮やかさが錦を広げたような景色になる。
さらに、色づく前の薄緑の木々が紅葉の出番を待っており、グラデーションを楽しむことができる。
姫路市の北隣にある福崎町。霜が降り、寒暖差も大きいため、モミジの色づきも良いとされる。
応聖寺の桑谷祐顕住職によると、モミジは水を好むため、ここ数年の夏の気温上昇、少雨は葉に影響が出やすく、葉先が落ちてしまうこともあったが、11月の終わりから徐々に色づいたという。