“鉄っちゃんアナ”としても親しまれる鉄道通のフリーアナウンサー・羽川英樹さんのラジトピコラム「羽川英樹の出発進行!」。今回、羽川アナが現地取材したのは、南海電鉄の超ミニ路線を2つ、多奈川線と高師浜線です。それでは、出発進行!
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南海電鉄は、関西では近鉄(近畿日本鉄道)に次ぐ154.8kmの営業距離を持ちます。それぞれ約64kmの長さを誇る本線と高野線をはじめ、観光列車『めでたいでんしゃ』が走る加太線(9.6km)、インバウンドでにぎわう空港線(8.8km)、徳島航路接続の和歌山港線(2.8km)などありますが、今回はそれより営業距離が短い超ミニ路線を2つ取り上げます。
まずは大阪の最南端「みさき公園」と「多奈川」の2.6kmを結ぶ、多奈川線です。4つの駅すべてが大阪最南端の泉南郡岬町にあります。
「難波」から本線の特急で45分の「みさき公園」。ここの5番線から多奈川線は出発します。この駅はもともと大阪唯一のシーサイドコースを持つ大阪ゴルフクラブの来場者のために、昭和13年(1938年)に南淡輪駅として開業しました。
その後、遊園地・みさき公園がオープンし2020年まで63年間にわたって親しまれてきました。ヨットをデザインした駅舎を右に見ながら2両編成の2200系が発車します。
今年の10月20日までは日中30分毎の運行でしたが、今は利用客の減少から、なんと60分毎に減便されてしまいました。
最初の駅「深日町(ふけちょう)」は美しい3連のアーチをもつ高架駅で、この周辺には歴史ある寺社がいくつもあります。“深日の御坊さん”と呼ばれる金乗寺(こんじょうじ)には樹齢500年の立派な大銀杏があり、宝樹寺は化石の寺としても名高いお寺です。またここは瓦産業が盛んなため国玉神社の大鳥居の扁額も瓦でできているんです。