通販大手のフェリシモ(本社:神戸市中央区)が、「日常生活で食べてもおいしい備蓄」をコンセプトにした「備蓄でお守りKOBE BOX2」の予約販売を行っている。阪神・淡路大震災を経験した神戸・阪神エリアの11企業が協力し「兵庫のおいしいもの」を詰め込んだ。
コンパクトで、神戸を象徴するかわいいイラストが描かれた箱には、3食分の食事とおやつ計10品が詰め込まれている。企画したフェリシモは、能登半島地震などの被災者500人にアンケートを行い、「米が食べたい」「食物繊維が欲しい」「しんどい時には、おやつ、大事です」といったリアルな声に耳を傾けた。そして生まれたのが「備蓄でお守りKOBE BOX2」。「ビーフシチュー」「鮭の塩焼き」「やさいとくだもののジュース」「クッキーバニラ」など、阪神・淡路大震災を経験した企業の「おいしいもの」が集まった。2023年12月の第1弾と比べるとバリエーション、おいしさ、食べやすさがアップしたという。
「備蓄」というと、保存期間が長い食品を思い浮かべる。「KOBE BOX2」の賞味期限は最短で7カ月と短めで、保存期間の長さより「おいしく食べられること」を大切にした。コンセプトは「ふだんに食べてもおいしい備蓄」。今回BOXに入っているのは普段使いができるものばかり。保存期限が近付けばメールで通知が届く。
フェリシモ・みんなのBOSAI「もしもしも」プロジェクトの武智直久氏は、「備蓄食は保存期間が2年以上だったりと長いものもあるが、気が付くとその期間が過ぎていたり、何も起こらないと食べる機会がない。被災しなくても食べたくなるおいしいもの、普段から食べているものをストックして、食べたら入れ替える。何も起こらなければそれに感謝していただく。神戸の企業としてローリングストックという新しい文化を広げていきたい」と話す。
またガイドブックには、同社が運営するレストラン「Sincro」の北川理映子エグゼクティブシェフが考案したアレンジ料理のレシピが掲載されている。1人前の食材を、冷蔵庫の食材や身近な食品を使って「2~4人分に増やし」、家庭で楽しめる。「いざという時もカセットコンロと鍋ひとつで楽しめます」と北川シェフ。例えばパスタを茹でる際にはフライパンを使い、「この時にレトルトも(汚れやほこりを落とすため)サッと洗って一緒に温める。時短になります」。普段はおいしく、美しくなるかを考えて工夫するが、「時短で洗い物を少なくするよう考えるのは新たな発見でした」と笑う。