1年を締めくくる言葉として活用される「年の瀬」。昨年12月にも各所で見かけたのではないだろうか。
関西を中心に活躍するフリーアナウンサーの清水健と、落語家の桂米舞(かつら・まいまい)がパーソナリティーを務めるラジオ番組で、「年の瀬」の由来などについて解説した。
「年の瀬」は、「あわただしい年の暮れ」をあらわす言葉。本来、12月中旬以降から12月31日の大晦日までを指すことが多いとされている。
番組が放送されたのは、ちょうど年の瀬。清水は、「(年末は)本当にせわしない。来年に向けての作業もはじまるし、いつか落ち着くのかな……」と本音をこぼした。
そんな年の瀬はもともと、「川」が由来となっている。流れが速い「浅瀬」や、流れが急な「早瀬」など、川の流れを表す「瀬」という言葉を使用し、あわただしい12月末の様子を表現している。
さらに由来をたどると、「瀬」は「船で進むのに困難なところ」を表現する言葉として使われていたのだそう。そのため、ツケ払いが一般的だった江戸時代には、年末にたまったツケを支払う困難さ、生活の苦しさなどを表現するための言葉としても使用されていた。
米舞によると、落語にも「ツケ払い」を意味する「年の瀬」の話があるそうで、「(米團治)師匠がよくやっているので、どこかで聞いていただけたら」と紹介した。
この話を聞いた清水は、「江戸時代には悲しいことを交えた言葉ですが、笑いに交えて現在まで受け継がれているのは良いことですね」と話し、番組を締めくくった。
※ラジオ関西『Clip木曜日』より