“鉄っちゃんアナ”としても親しまれる鉄道通のフリーアナウンサー・羽川英樹さんのラジトピコラム「羽川英樹の出発進行!」。今回は近鉄奈良線レポートの後編。『生駒』→『近鉄奈良』をたどるとともに、注目の新車両にもスポットライトを当てます。それでは、出発進行!
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前回は近鉄のドル箱路線・奈良線の『大阪難波』→『生駒』までをリポートしましたが、今回の後編で取り上げるのは『生駒』→『近鉄奈良』。奈良屈指の高級住宅地を通り抜け、平城京跡から古都・奈良に入っていく、12.5kmの区間をたどります。
けいはんな線・生駒線・生駒ケーブル線と接続する奈良線の中間拠点『生駒』から、『東生駒』を経て、新向谷(しんおおたに)トンネルを抜けると、『富雄』に。ここは近年ラーメン激戦区といわれ、駅周辺で10店ほどが腕を競います。
中でも行列必至なのが「ラーメン家 みつ葉」。実にクリーミーな泡系・鶏白湯スープにモッチリ麺がしっかりと絡んだ「豚CHIKIしょうゆラーメン」(1100円、税込み)はおすすめです。
『学園前』は快速急行も停車する沿線屈指の住宅地。この駅の半径1km以内は、朝の時間帯(午前7時15分~8時15分)、一般車すべて乗り入れ禁止という大胆な規制をとっています。
駅の南口には駅名の由来となった幼稚園から小・中・高・大学までが集まる帝塚山学園がひろがります。
また駅からは奈良屈指の邸宅街がつづき、周辺には東洋の古美術を集めた大和文華館(2月28日まで改装のため休館中)や、元近鉄会長・佐伯勇氏のお屋敷だった松伯美術館(2月14日まで展示替えのため休館中)もあり、“奈良の芦屋”ともいうべき景観を保っています。
次は私が子どもの頃、よくここの遊園地で遊んだという思い出の地『菖蒲池(あやめいけ)』。大正15年にオープンし、2004年まで78年間にわたって親しまれた近鉄あやめ池遊園地にはOSK日本歌劇団の円形劇場もありました。いま、遊園地の面影はなく、OSKの円形劇場があったあたりは近畿大学付属小学校に。菖蒲上池の周りには瀟洒(しょうしゃ)な低層マンションが立ち並んでいます。