そしてこの奈良線では2つの新車両にも出会うことができます。
まずは近鉄で24年ぶりの新車の普通車両となる「8A」(2024年10月デビュー)。独特の八角形に、深みのある赤と白のコンビネーションが特徴。この車両は273系やくも・はなあかりなども担当した川西康之氏がデザインを担当しました。
車内のLCシートは座席エリアごとにロングにもクロスにも自由に設定できます。また1両に2か所ある「やさしば」は、ベビーカーやスーツケースを持つ人にとても便利。この「8A」、奈良線では快速急行から普通まで幅広く運用されています。
そして「観光特急あおによし」は、高貴な紫を基調に、天平文様が描かれています。車内は窓向きのツインシートや、半個室風のサロンシートなど多様に展開。この車両、実は2023年に引退したスナックカー12200系を改造したもの。奈良線では一日1往復のみの運行で、大阪難波~奈良~京都を結びます。
大阪への通勤通学、奈良エリアへの観光と2つの顔をもち、運転頻度も高く、いろんな車両に出会える近鉄奈良線。ぜひ一度、この近鉄一のドル箱路線に乗車のうえ、前回ご紹介した『枚岡』~『石切』間で広がる大阪平野の絶景とともに、その魅力を体感いただければと思います。(羽川英樹)