震災の年に生まれたフリーアナ 震災報道への葛藤と伝え手としての志「過去を糧に今備え未来へつなぐ」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

震災の年に生まれたフリーアナ 震災報道への葛藤と伝え手としての志「過去を糧に今備え未来へつなぐ」

LINEで送る

この記事の写真を見る(3枚)

 阪神・淡路大震災から30年。その1995年に兵庫県で生まれ、震災の状況を学んだり取材したりしながら、地元で震災報道に携わってきたアナウンサーが、17日に放送された震災特別番組で、震災報道に関する思いを語りました。

津田明日香さん

 兵庫県三木市出身、元ラジオ関西アナウンサーで、現在はフリーアナウンサーとして活動する、津田明日香さん。このたび、ラジオ関西の震災特別番組『±30(さんじゅう)~経験を今、未来(あした)へ~』で、ラジオパーソナリティーの谷五郎さんとともに、番組の進行を担当しました。

「震災のあった年の1995年8月に生まれたんですが、ちょうど1月は母の妊娠がわかったくらいのとき。母は当時、神戸の北区に住んでいて、非常に大きな揺れで、何時間もかけて三木の実家に帰ったというエピソードを聞いた」という津田アナ。

 2018年、22年ぶりの局アナ採用として入社したラジオ関西では、毎年1.17の震災報道に携わってきました。ただし、「経験していない自分が伝える側になっていいのか、なれるのかなという悩みも非常に抱えながらやってきました」と、正直な思いも吐露します。

 それでも、このたび放送前に訪れた東遊園地の追悼会場で、老若男女が手を合わせたりする光景を目の当たりにし、津田アナが実感したのは、震災があったことを継承していくという人々の思いの強さでした。

「この30年、これからは特に継承が課題であるという意見をいろんな取材をする中で聞いてきましたが、つないでいきたいという思い・伝えていかねばという使命が、神戸の街の皆さんの中に強くあるのではないかと感じました。今回の番組も、当時何があったか・命を守るために今何ができるか、考えるきっかけになったらうれしいです」

「阪神・淡路大震災1.17のつどい」(神戸市中央区・東遊園地、2025年1月17日撮影)

 また、津田アナは震災特番の最後に、「30年という時を考えたとき、横矢印で過去→いま→未来と順番に進むのではなく、今というときが過去と未来と手を取りあって一緒に進んでいくイメージで、過去からもらったことを糧に、今の自分がしっかり備えをして未来につないでいく、上を向いていくということをしていきたい」と語っていました。

 今回、番組でコンビを組んだ谷さんは、津田さんにとってはしゃべり手の大先輩にあたります。久々の生放送でのトークには緊張したと明かしつつ、「言葉の重みや当時の経験から思うこと、いま感じることを聴けて勉強になりました。進行をしながら、パーソナリティーとして『伝える』ことを徹底する谷さんはやっぱりすごいと思います」と、絶賛。

 そのうえで、「谷さんが番組の最後におっしゃっていたように、『死ぬまでしゃべり続けたい』というのを実現してほしいですし、その背中を追って私もこれからアナウンサーのお仕事を頑張りたい」と、今後への思いも明かしていました。

※2025年1月17日放送 ラジオ関西 震災特別番組『±30(さんじゅう)~経験を今、未来(あした)へ~』より

『±30(さんじゅう)~経験を今、未来(あした)へ~』で番組パーソナリティーをつとめた、津田明日香さん(左)と、谷五郎さん(右)
LINEで送る

関連記事