“人材不足なし”実現した外国人適正雇用 有名外食チェーン展開する関西の経営者 SDGsも意識 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

“人材不足なし”実現した外国人適正雇用 有名外食チェーン展開する関西の経営者 SDGsも意識

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 世界各地で異常気象が続いている。記録的猛暑は人体に留まらず食材への被害も懸念され、平均気温の上昇は穀物の収穫量や漁獲量にも影響を及ぼしている。気候変動が世界的な食料不足に追打ちをかける状況になり、貧困・餓鬼に直面している国も少なくない。地球を守るためにと、190を超える国で2016年から「SDGs」を掲げている。

 さまざまな環境問題は他人事ではない。身近なところでは、日本の飲食業界もさまざまな問題に直面している。そこで、環境問題をはじめとしたSDGsやリサイクル、そして人材不足問題について2人の経営者に話を聞いた。

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世界で取り組まれているSDGs
SDGsと人材不足問題には関わりがあった ※画像はイメージ

 取材したのは、廃食用油の回収・リサイクル事業を展開する浜田化学(兵庫県尼崎市)代表取締役の岡野嘉市さんと、飲食店をフランチャイズ展開しながら、外国人の適正雇用に尽力する株式会社ヒロフードサービス(大阪市東淀川区)代表取締役の井上泰弘さん。

 原材料・食材価格は気候の変化に大きく左右される。飲食店は、低価格での仕入れや、環境配慮の付加価値をつけた形での提供など、商品やサービスの適正価格を維持するため思案と工夫を重ねている。

 一般に、食材は業者から仕入れるケースが多いため、価格高騰の際には仕入れ業者を変えるなどの策が繰り返されることもあるようだ。この傾向に対し井上さんは「根底にある生産現場の影響や原因を知らない経営者が多い」と懸念を示した。

 また、外食産業進歩の傍らで、気候変動や環境問題、生態系バランスなどの知識が十分でない場合、料理そのものだけでなく、箸や容器など食に付随する物が環境破壊に結びついていることにまで意識が至らない場合もある。外食産業従事者はもちろん、消費者側も知識を身に付け視野を広げていくことが、本当の意味で環境問題の取り組みに結びつくのではないだろうか。

 飲食店業界には人材不足の問題もある。岡野さんは「志の高い方がいれば積極的に採用している」と話すが、それでも埋めきれない状況があるようだ。一方、井上さんは「うちの会社では人材不足はない。労働環境、給与面が良ければ選んでいただける。“人材不足”の定義を考えた時に、労働生産性が悪いカタチそのものを考えるべき」と提言した。

 外国人の適正雇用にも目を向ける井上さん。同社の展開するフランチャイズ店舗には、現在十数か国の外国人が在籍しているという。「ずっと日本にい続けたいという人もいれば、一時的な出稼ぎとして来ている人もいる。それぞれの思いのバランスを整備できれば、日本での人材不足はなくなる」と話す。

 その上で、「ダイバーシティ(多様な人材を生かすこと)にこだわり、色んな人たちが色んなチャレンジをする会社に変えてみた結果、人材不足はなくなった。今では「働きやすい」と口コミが広がり(就職)希望者も増え、他の外食産業の方々に人材の紹介も行うほどになった」と明かした。

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