「第43回全国中学生人権作文コンテスト兵庫県大会」で、最優秀賞5編を含む各賞が選出されました。コンテストには、兵庫県内の309校から8万2433編の応募がありました。そのなかで、作品『意識が社会に広がるように』でラジオ関西賞を受賞したのは、宍粟市立一宮南中学校の森本まおさんです。
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森本さんの作文は、いつも笑顔とともに「おはよう、いってらっしゃい」「おかえり、えらかったね」などの温かい言葉を掛けてくれていた祖母との関わりから学んだ経験や考えが綴られています。様子が変化した祖母に対し「優しく接したいのにできない」という心の中のせめぎ合い、母から言われた言葉に「ドキッとした」出来事……祖母と‟気持ちよく向き合える方法”(作品より)を探し求めた森本さんの行きついた答えは?
森本さんに話しを聞きました。さまざまな感情があふれたのか、涙声で語ってくれました。
――作品の題材について教えてください。
【森本さん】 おばあちゃんが認知症になり、自分がおばあちゃんを傷つけてしまったこと、そしてお母さんに言われた言葉(※)をもとに書きました。
※「おばあちゃんだってなりたくて認知症になったわけじゃない。おばあちゃんにもプライドがあるんやから、おばあちゃんの人権も尊重してあげて!」(『意識が社会に広がるように』より)
――おばあさんと、どのような言葉を交わしたのですか?
【森本さん】 おばあちゃんは、私のことを心配して気にかけていろいろなことを手伝ってくれるけど、自分は1人でできるし、世話を焼かれるのが嫌だから「邪魔」「あっち行って」という言葉を言ってしまっていました。
――タイトルの『社会に広がるように』という部分が非常に興味深いのですが、どのようなことが社会に広がっていけばいいなと考えていますか?
【森本さん】 障がいのある人や認知症の人など、いろいろな人を取り上げているニュース番組の特集を見て、彼らを社会全体でわかり合おうとする雰囲気がもっと広がってほしいと思いました。
――受賞について、おばあちゃんにどのように報告しますか?
【森本さん】 おばあちゃんのおかげで(認知症や障がいについて)調べて考えて作文が書けたから、「ありがとう」と伝えたいです。
――今後の夢や目標は?
【森本さん】 私は、看護師になりたいです。看護師になれば、いろいろな病気の人やいろいろなことを思っている人に会えると思うので、そういう人たちの話を聞いて寄り添っていきたいです。(作文で森本さんは「知ること」「寄り添うこと」の大切さに触れています)
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■全国中学生人権作文コンテスト
誰もが生まれながらに持っている、人として幸せに生きていくための権利「人権」について、次代を担う中学生に、体験に基づく作文を書くことを通して人権に関する理解を深め、豊かな人権感覚を身につけてもらうことを目的に、1981(昭和56)年度から法務省と全国人権擁護委員連合会が実施している。