“鉄っちゃんアナ”としても親しまれる鉄道通のフリーアナウンサー・羽川英樹さんのラジトピコラム「羽川英樹の出発進行!」。今回、羽川アナがレポートするのは三岐(さんぎ)鉄道の北勢線『西桑名』→『阿下喜』です。
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三岐鉄道・北勢線は三重県の桑名市といなべ市の20.5kmを結ぶ単線電化の鉄道です。
始発の桑名といえば、遊園地「ナガシマスパーランド」・花のテーマパークでイルミネーションが人気の「なばなの里」をはじめ、温泉・アウトレットなども備わった国内屈指の複合リゾート施設「ナガシマリゾート」が有名。また昔から蛤(ハマグリ)の産地としても名高く、精肉・総菜で有名な「柿安」(柿安本店)の本社もここにあります。
そんな街の玄関口となる桑名駅の共同駅舎には、JR東海(関西本線)、近鉄(名古屋線)と、大垣とを結ぶ養老鉄道が集まります。
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その桑名駅から200mほど離れたところにぽつんと駅舎があるのが、三岐鉄道・北勢線です。2003年に近鉄からバトンを受けたこの鉄道、いまや全国でも珍しい「ナローゲージ」の路線として注目を集めています。
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一般に鉄道の軌道は、新幹線や大手私鉄に多い線路幅1435㎜の標準軌と、JR在来線などが採用する1067㎜の狭軌に大別されますが、ナローゲージは線路幅762㎜と、標準軌の半分くらいの極めて狭い線路幅で懸命に走ります。
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かつては主に軽便鉄道として貨物輸送などで各地に多く見られたナローゲージ。現在、この軌間762㎜で運行しているのは三岐鉄道北勢線と、四日市あすなろう鉄道(三重)、黒部峡谷鉄道(富山)の3路線だけという貴重な存在になってしまいました。
北勢線の始発駅は、桑名駅の東に位置するのになぜか『西桑名』。これはかつての住居表示の町名だとか。ホームには地元のスポーツチーム「ヴィアティン三重」のラッピング車輛が停まっていました。
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出発してすぐに最初の鉄スポットがやってきます。標準軌の近鉄、狭軌のJR、ナローゲージの北勢線の3軌条がそろってしばらく併走します。この光景は発車してすぐの「西桑名2号踏切(歩道専用)」から楽しむことができるんです。