
派遣されて10か月、珠洲のまち、ご自身の変化については、次のように話しています。
「実際に珠洲に入って、復旧が進んだり、まちが変わっていく様子を見ていると、たとえば次、神戸市が被災することがあれば、そのときに実際、自分がどう動けるんだろうかと考えます。だれかを守るというとちょっと大層なんですが、一人でも被害を少なくするためには何ができるのかなというのを考えるようになりました」

藤澤さんは今回の派遣を通じて、公務員として働く思い、家族をどう守るかも考えつつ、準備の必要性を実感。そのきっかけづくりに着手したいと語ります。
「自治体職員として働いている以上、災害があると、出勤するのは必然のこと。たとえば、自分が家族の近くを離れたとき、残された家族が無事に過ごせるような準備、備えは必要なのかなと、今年、改めて思っています。これは家族だけでなく、たとえば被災したことがない方々にもそういう思いを持ってもらえたらうれしいなと考えます。備えがあれば、水があれば、もしかしたらなくならない命があったかもしれないし、毛布があったらあと1日生きれたかもしれないというのは、本当に現場では起こり得ることだと思うので。こういうイメージを伝えるのはすごく難しいですが、何かそういう思いを持っていただくきっかけがあったらいいのかなと思います」
「珠洲市は、とっても人と人との距離が近いまち」と、現地で感じた魅力を語った藤澤さん。能登半島の最北端、禄剛崎(ろっこうざき)からの景色に感銘を受けたそうです。「灯台の奥は海が開けているんですが、そこは朝日と夕日が同じ場所から見れるところ。天気がいい日は本当に景色がよくて、すごく不思議な場所。そこが僕はすごく好き」。
現地への派遣期間は、今年3月までとなっている藤澤さん。家族への感謝を胸に、珠洲のまちできょうも覚悟をもって職務に励んでいます。
※2025年1月17日放送 ラジオ関西 震災特別番組『±30(さんじゅう)~経験を今、未来(あした)へ~』より





