マリさんによると、そのころにジャガイモが南米から持ち込まれたことで、ジャガイモも主食として食べられるようになっていったそうです。
「現代のイギリス人は年間で約100キロものジャガイモを食べるというデータもあります。フライドポテトをはじめ、ローストポテト・茹でジャガイモ・ポテトサラダ・ハッシュブラウンなど料理のラインナップはじつに豊富です」(マリさん)

スーパーのジャガイモコーナーに行けばパンと同じようにたくさんの品種が並んでおり、料理や好みに合わせてジャガイモを選べるのだそう。イギリス流のジャガイモの食べ方を、マリさんに聞いてみました。
「ローストビーフやステーキを食べるときはマッシュポテトを添えます。ちょっと小腹が空いたら、皮付きをまるごと焼いた『ジャケットポテト』にチーズやサラダなどを乗せて食べたり。日本におけるお米のような役割を果たしていますね」(マリさん)
イギリスの代表料理としてメジャーな「フィッシュ・アンド・チップス」と「シェパーズパイ」にもジャガイモが使われています。そういう所からも、パンと同じようにジャガイモはイギリス人に愛されている食材であることがわかります。

結局、イギリスの主食はパンかジャガイモどちらかなのか。今回の話を踏まえてマリさんは「私の感覚ではどちらも主食といえると思います。ですが、近年のイギリスは多文化社会ということもあり日本と同じくパスタや米も食べられています」と述べました。
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時代の流れの中で、主食が変化するという興味深い食文化を持つイギリス。今後、時代が進めば新たなる主食が登場するのでしょうか?
(取材・文=つちだ四郎)