「このカレーをきっかけに、みりんの新たな活用方法を知ってもらいたい」と桑原さん。みりんは調味料としてのイメージが強いですが、実は養命酒のベースとして使われたり、飲料として親しまれていた歴史もあるのだとか。

近年、健康志向の高まりとともに、砂糖の代わりとして活用する動きも出ている、みりん。例えば、ケーキづくりの甘味料として使うことで、自然な甘さとしっとりした食感を生み出すことができるそう。また、うまみ成分が豊富に含まれるため、調味料の使用量を抑えつつ満足感のある味わいを実現できるのも魅力だといいます。

「和食の調味料」という固定観念にとらわれず、みりんの新たな可能性を広げたい――そんな思いを、現代日本の国民食ともいわれるカレーにも込めた、高嶋酒類食品。時代とともに変化しながらも、地域の伝統を守り続ける老舗のこれからの挑戦にも期待が高まります。
(取材・文 洲崎春花)
