ハチミツを冷蔵庫保管している筆者。ある日ヨーグルトにハチミツを入れようと手に取ったところ、購入時は透き通った美しい琥珀色だったのに白く濁り固まっていました。
こうなってしまうと品質に問題ありと判断し、泣く泣く捨ててしまうのですが元に戻す方法はあるのでしょうか? そもそも食べても問題はないのでしょうか? ハチミツの製造・販売を行う山田養蜂場(岡山県)に話を聞きました。

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同社によると、ハチミツが白く固まるのは「結晶化」という現象が起こっているからなのだとか。
「採れたままのハチミツの中には各種栄養素を豊富に含む花粉が含まれています。この花粉が核となって、ハチミツの中のブドウ糖が集まり白く固まって結晶となります。ブドウ糖の比率が高いハチミツほど結晶化しやすいですね。ちなみに、結晶化しても風味や成分は変わりませんのでご安心ください。」(同社)
加えて、「結晶は花粉を含んだ“本物のハチミツ”である証です」とも。ただし、アカシアのようにブドウ糖比率が低いハチミツは結晶化しにくいなど種類による違いはあるそうです。
しかしながら量販されているハチミツの中には、「結晶化すると商品価値が低下する」という間違った考えから花粉などの栄養成分を取り除く加工を施し、結晶化しないものもあるとのこと。つまり結晶化するということは、「余計な加工をせず、不要なもの以外は何も取り除かれていない」ということに他ならないのです。

結晶化するハチミツは「本物」で「食べても大丈夫」であることが分かり、一安心した筆者。しかし、まだ気になることが。結晶化したハチミツは元に戻せるのか……ということです。
結論から言うと「戻せます」と同社。戻し方を教えてくれました。
【1】結晶化したハチミツの容器が入るくらいの大きめのボウルを用意する。
【2】風呂よりも少し熱めの湯を注ぎ、ハチミツの容器のフタを開け、容器をそっと中に浸ける。
【3】結晶化したハチミツをかき混ぜながら溶かしていく。
【4】ボウルが入る鍋を用意
【5】ボウル内の湯の温度が下がったら、ボウルごと鍋に入れる
【6】鍋に湯をそそぎ、火にかけ温める
結晶化したハチミツを溶かし戻す際の注意点としては「高温になりすぎないこと」だそう。高温で長時間加熱すると、褐変して色が濃くなったり香り成分が壊れて風味が弱くなったりする場合があるようです。