年に正月が3度ある国・タイ そのうちのひとつは「水をかけ合いまくる」って本当? 有識者に聞く | ラジトピ ラジオ関西トピックス

年に正月が3度ある国・タイ そのうちのひとつは「水をかけ合いまくる」って本当? 有識者に聞く

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 春真っ盛りの4月、タイでは国全体で「ソンクラーン」という祭りがおこなわれます。別名「水かけ祭り」として知られ、その名の通り人々が水をかけ合うというもの。

 2023年、ユネスコ無形文化遺産に登録され注目を集めていますが、具体的にはどういった祭りなのでしょうか? 何度もタイに訪れ、SNS・ブログで同国の情報を発信するあゆみさんに聞きました。

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「ソンクラーンは、もともと宗教行事の一種です」とあゆみさん。イメージとしては、日本人が元旦に初詣に行くのと同じ。寺院にお参りに行き、香りの付いた花びら入りの水を仏像にかけて清めたり、健康を祈願し親族や近所の年長者の手に水をかけたりするそうです。

タイのお祭り「ソンクラーン」では、仏像や人に水をかけます(提供=あゆみさん)

 実は年3回も正月があるタイ。日本と同じ「1月1日」、中国などにおける旧正月の「春節」、ソンクラーンがおこなわれる「春の正月」です。

 そもそも、ソンクラーンとはサンスクリット語で「移る」という意味。太陽の軌道が12ヶ月の周期を終えて「白羊宮(おひつじ座)」へと移る、つまりそこからまた新たな1年が始まるという節目にあたるのです。古くからタイに伝わる手や仏像などを清める風習が変化し、現代では「水をかけあって楽しむ祭り」として親しまれています。

「期間中は各地に水かけ祭り専用の大きな会場が設置され、盛大に水をかけ合います。バンコク内だとアイコンサイアムやセントラルワールドが有名な会場となります。他にはカオサン通りやシーロム通りなどもメジャーですね。夕方以降は会場だけでなく街の中でも水かけが始まります」(あゆみさん)

 ソンクラーン期間中は公共交通機関に大きな水鉄砲を持った若者が乗り込み、パーティ会場へ向かう姿が風物詩として浸透しているとあゆみさんは説明。そんな彼女自身も、バンコクの中心部から離れた「ラップラオ」という地区の水かけ祭りに遭遇したことがあるといいます。

「アロハシャツを着たりすでに濡れてたり、地元民だと分かる人、爆音で音楽を鳴らしながら道路を走る車には水鉄砲やホース・バケツなどで容赦なく水をかけていきます。さらに『ディンソーポーン』と呼ばれる泥灰土を水で溶かしたものを顔に塗りつけあったり、かけるものが泡の場合も」(あゆみさん)

 一方、僧侶や郵便局、窓のないバスやソンテウにはかけないように気を付けている人も多いそうで細やかな気遣いも感じられるとのこと。「私も中心部以外では突然かけられたことはないですし『水をかけましょうか?』と声がけされることが多いです」とあゆみさん。

 ソンクラーン期間は、タイ中心部だけでなく地方の各地でも祭りが開催されます。どの地域も午前中からお昼までは寺院参拝・パレード、夕方ごろから水かけパーティが始まるという流れが定番。あゆみさんいわくこの時期は帰省する人も多いため、街外れや地方の祭りの方が独特で面白いケースも多いのだとか。

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