「韓国では雨が降ったらチヂミを食べる」という噂があることを知っていますか? なぜ雨の日なのか、そこにどういった意味があるのかとても気になった筆者。そこで、韓国料理店「コッキル」(大分県大分市)の料理長であるシン・ジェホさんに話を聞きました。
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件の噂は実際に存在するものなのか、ジェホさんに尋ねてみると「本当です」と即答。
チヂミと雨の因果関係についてジェホさんは諸説あるとした上で、「よく言われるのはチヂミを焼く時に出る油の跳ねる音が、雨音のように感じ雨を連想させるからという話ですね。また、チヂミにはマッコリを合わせるのが韓国の定番ペアリング。なので、『雨が降っているからチヂミを食べに行こう』は『マッコリを飲みに行こう!』と言う意味を含んでいる場合もあります」と話します。

雨が降ったらチヂミ屋に行く……というのは同国では昔から伝えられている「ジンクス」的なもので、年配から若者まで国民全体に浸透している模様。韓国映画やドラマでは時折そういったシーンが流れるため、韓流好きな日本人ならピンとくるかもしれません。
他にも「雨が降ったら農作業ができなくなってしまうので、家でチヂミを食べるという習慣があった」「雨で買い物に行けなくなっても、家にある材料で気軽に作れるから」という説も有力です。
小麦粉を水で溶いた生地にニラやキムチ・イカ・エビなどの具材を混ぜ合わせて焼くチヂミは、日本の「お好み焼き」のように気軽に作ることができる料理。そのような説が出てくるのもうなづけます。
「チヂミはもともと旧正月や秋夕(日本でいうお盆)など、特別な日に食べる料理でもあります。日本における『おせち』のような存在でありつつ、身近な食べ物でもある。実に多彩な面を持っている料理です」(ジェホさん)




