「令和の米騒動」と言われるほど米の価格が上昇し、一時はキャベツが1玉1000円を超えるなど作物の物価高が続いています。こうした状況下のなか、「消費する側」だけでなく「作る側」も大きな問題に直面しています。
いったいどのような問題が発生しているのでしょうか? 東馬場農園(神戸市北区)の代表取締役・東馬場怜司さんに詳しく聞きました。
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「現在、農家が減少し耕作放棄地が拡大しています」と東馬場さん。このままいくと、2050年には農業人口が現在の110万人から30万人まで減ると予測されているそう。
「今後、農業のあり方が大きく変わる可能性があります。そのため、全ての作物にチャンスがある一方、中途半端な規模の拡大はリスクにもなります」(東馬場さん)
データを活用して品質や収穫量を向上させる「スマート農業」を実践する東馬場さん。自身の農園でトマトやイチゴの生産・販売、そしてイチゴ狩りを行っています。その中で東馬場さんは、「消費者の近くで農業をする」という視点で作物を選んでいるのだとか。

「イチゴは熟すほどおいしくなる一方で輸送に向かない。そのため、近くで作るほど強みを発揮できます。イチゴ狩りはその良い例です」と話します。
東馬場さんは、初めて農業を始める際の作物の選び方についても言及。
「その土地の環境をよく理解することが一番の近道です。作物の生育には気温・日照・土壌などの自然環境が大きく影響します。また、売れるかどうかは、地域の人口や市場の動向にも左右されます。『どんな環境で、どんな作物が育つのか』『その作物を買ってくれる人がいるのか』を俯瞰して考えると、自然と答えが見えてくるはずです」(東馬場さん)




