同社のグルテンフリーラーメンへの本格的な取り組みは2020年に始まった。 2018年、アメリカ・ボストンでラーメン店「Tsurumen(鶴麺)」を開業、行列必至の人気店を切り盛りする大西益央氏との共同開発にさかのぼる。話を持ち掛けたのは大西氏。「グルテンフリーのラーメンを作りたい」。


グルテンフリー食品は、病気や体質のために小麦粉を摂取できない人のほか、 アレルギーや健康管理のためにグルテンを避ける食生活をする人らを中心に定着している。
特に欧米で注目されるグルテンフリー食品だが、高村社長は「日本でも、健康食品と摂取すればそれでいい、という考え方ではなく、美味しいものを無理なく、心から楽しんでいただきたい」と意気込む。


大西氏は、「米粉というと、ビーフン(台湾)やフォー(ベトナム)のイメージが先行する。食感がしなやかでなめらか、という素晴らしい食材だが、コシがなかった。そこで、”かんすい”を生地にすり込んだ。こうして弾力性が生まれ、ラーメンらしい麺を作ることができた」と話す。
9歳の時、地元の大阪・鶴見で「花の万博(1990年開催・国際花と緑の博覧会)」が開かれ、あと1か月、1週間と閉幕が近づくのがさびしかったという。「万博で見たものは、ずっと記憶に残る。
大阪・関西万博でも、 子どもたちの記憶に残るものを提供したい。そしてグルテンフリーでもここまでできる!という味と食感、 のどごしを広げたら」。
アメリカでは、どのレストランでもグルテンフリーとビーガンはメニューにある。世界的に、グルテンを受けつけない人たちは数多くいる。外食ができない人たちのために、自分ができることは何かを考えた」と話す。






