そのほか、組んだ両手に顎を乗せて外を眺めるポーズが印象的な「わか葉」(1940年/前期展示)、「待月」(1944年/後期展示)、伝統芸能や古典文学を画題にした「序の舞」(重文、1936年/同)、「草紙洗小町」(1937年/前期展示)、障子の破れを繕う女性をすがすがしく表現した晩年の名作「晩秋」(1943年/後期展示)なども公開。代表作の下絵や素描、画家の遺品も見どころだ。
展示を担当した小川知子学芸員は、松園について「男性が9割以上だった当時の美術界で風穴を開けた人。60年間にわたる制作期間において一貫して努力を惜しまず、誰も追随できなかった存在」と賞賛。その上で「今も女性ファンが多いが、今後さらに若い女性に支持されていくのではないか」と期待を寄せた。
本展の音声ガイドナビゲーターは、俳優の木村多江さん。木村さんは以前から松園のファンで、今回のナビゲータ-起用について「とてもうれしい。作品だけでなく人となりにもフォーカスでき、ますます松園の魅力を感じた」と語った。

会期中、併設ショップで作品に登場する着物の柄をモチーフにしたオリジナルグッズを販売するほか、館内カフェレストラン「ミュゼカラト」では、松園が描いた桜をイメージした「桜と抹茶、小豆のアンサンブルパフェ」を提供する。

◆「生誕150年記念 上村松園」
会場 大阪中之島美術館 4階展示室(〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-1)
会期 2025年3月29日(土)~6月1日(日)
※会期中に展示替えあり。前期は5月11日(日)まで。後期は5月13日(火)から。
休館日 月曜日(4月28日と5月5日は開館)と5月7日(水)
開場時間 10:00~17:00(入場は16:30まで)
観覧料(税込) 一般1800円、高大生1500円、小中生500円
問い合わせ 大阪市総合コールセンター 06-4301-7285(8:00~21:00 ※年中無休)
【展覧会公式サイト】





